株式レポート
2012年8月15日 マネックス証券

小売データ回復、米景気例年のパターン? - 米経済の「今」を読む -経済指標動向-

7月分の主要経済指標が徐々に出揃うなか、6月までの落ち込みが一旦和らぐ指標が散見されている。14日に発表された7月の米小売売上高もその1つだ。同統計は、4月から3ヶ月連続で前月比マイナスが続いたが、7月分は市場予想(前月比+0.3%)を上回る高い伸び(前月比+0.8%)となった。全般的な業態で6月から売上が伸びており、特に自動車ディーラーや、無店舗小売(オンライン通販など)での販売好調が目立っている。7月の大きな伸びは6月のガソリンスタンド売上高が下方改定されたことで押し上げられている面もあり、割り引いて評価する必要があるが、単月の動きとしてはポジティブな結果であった。

既に発表されている指標も含めて、雇用や消費関連の指標の落ち込みが和らいでいるのは、過去2年のパターンと同様だ。2010年、11年も春先から夏場にかけてこれら指標が低迷し、その後は年末にかけて復調する展開が繰り返された(グラフ参照)。8月以降も指標回復が続けば、米国内景気は過去2年とほぼ同様のパターンをなぞることになる。一方、米国内景気減速の主因とされる欧州や中国の景気低迷には明確な反転の兆しが見えない。外部環境の悪化が深刻化するなかでは、足元の米経済指標の反発だけで先行きを楽観視することはできない。また、7月に反発した各指標を詳細に評価すると、回復力がまだ弱い指標も目立ち、夏場以降の米国内景気は、「低迷継続」「ボトムアウト」、どちらのシナリオにも警戒すべき状況はまだ続いている。


マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 戸澤 正樹