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【第41回】 2012年8月27日 ザイ・オンライン編集部

「穀物価格急騰」は投資に生かせるか?
ネット証券で1万円台からの投資法を見つけた!

経済ニュースに関連した株、ファンド、ETFなどを素早く見つける方法

 この夏、米国本土の6割が干ばつに見舞われ、穀物価格の高騰が報じられている。

 6月1日を基準に見ると、シカゴ取引所のトウモロコシ先物価格は44%、小麦先物価格は約38%も急上昇している(8月15日時点)【図表1】

【図表1】シカゴ取引所(CBOT)Corn先物の日足チャート。出所:楽天証券テクニカルチャート

 一般の投資家にとって、米国で取引されるとうもろこしや小麦、大豆といったコモディティ(商品先物)は、少しなじみが薄いかもしれない。でも最近は、さまざまな金融商品を通じてコモディティへの投資が可能だ。海外の穀物高騰のニュースも、投資チャンスに変えることができるのだ。

 今回は、普段使っているネット証券の無料ツールを使って、穀物に関連した個別株や投信などの金融商品を検索する方法をチェックしてみた。

【その1】穀物関連の国内株を見つける

 まずは、国内の株式市場から「穀物関連銘柄」を探してみよう。そんな時に便利なのが、松井証券の会員向けツール「ニュースファインダー」だ【図表2】

【図表2】「ニュースファインダー」の表示例。穀物高騰により業績が好調な企業、逆に業績予想を下方修正する企業などをすばやく発見できる。
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 経済ニュースの記事内にあるキーワードから銘柄探しができる。銘柄の探し方は簡単だ。表示されたキーワードから選択するか、自分でキーワードを入力して検索する。早速「穀物」と入力して検索してみると、いくつかの記事が表示され、「穀物関連株」はすぐに見つけることができた。

協同飼料(2052)日本配合飼料(2056)コープケミカル(4003)ヤマタネ(9305)など。たとえば協同飼料の場合、6月1日には81円だった株価が8月15日時点では99円まで上昇した。

 ニュースファインダーでは、上記のようにざっと選んだ銘柄リストに対して、テクニカルやファンダメンタルズの条件を追加して銘柄を絞り込むことができる。たとえば、「純利益伸び率が高い銘柄」で絞り込んでみると、協同飼料(2052)山崎製パン(2212)コープケミカル(4003)丸紅(8002)などが上位にリストアップされた。

 もちろん、これだけの操作ではすぐに投資対象にはならないが、個別銘柄の株価チャートを見てニュースへの反応をチェックしたり、業績や財務などを確認すれば、穀物高騰で株価が上がりそうな銘柄を選び出すことができそうだ。

【その2】国内・海外の「穀物関連ETF」を探すツール

 次に、「ETF」での投資を考えてみる。穀物関連のETF(上場投資信託)やETN(上場投資証券)は、どちらも株式市場で手軽に取引できる。とはいえ、ETFは国内だけで100本以上あり、海外のETFも合わせると、どれが穀物関連なのかを探すのは一苦労だ。

【図表3】楽天証券「ETFスクリーナー」の画面。資産タイプを「商品」で検索し、パフォーマンスの高い順に並び替えてみると、穀物関連のETFが上位に登場した。
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 そんな時に便利なのが、楽天証券「ETFスクリーナー」だ。このツールは一般に公開されていて、国内だけでなく海外市場に上場する全349本ものETFから、条件を入力して検索できる。

 ETFスクリーナーでは、「資産タイプ」を「商品」に絞って検索した。ただし、「商品」の中には、穀物だけでなく、貴金属や原油なども含まれる。

 そこで、「パフォーマンス」が過去3カ月間の騰落率の高い銘柄で絞り込んでみた【図表3】。「ETFS小麦上場投資信託 [略称: 小麦ETF](1695)」「iPath 穀物指数連動 受益証券発行信託(2026)」など、軒並み穀物関連の銘柄が見つかった。ともに過去3カ月では40%前後上昇しており、穀物高騰の状況を反映している。

 たとえば、小麦ETFの場合、現値は165円(8月16日時点)で、100株単元なので、最低1万6500円から投資が可能だ。

 なお、【図表3】では「パワーシェアーズDBアグリカルチャー・ファンド」のような海外ETFも検索されているが、これらのETFを扱うのはSBI証券マネックス証券楽天証券など一部のネット証券に限られているので、海外ETFに投資したい人は口座開設しておこう。

【その3】穀物関連のファンドを見つける

 穀物関連に投資する「投資信託」を買うという手もある。

SBI証券は、ネット証券のなかでもファンドの取扱本数が1225本と最も多い。それだけに、投信の検索ツールも充実している。

【図表4】SBI証券の「Fサーチ」画面。「こだわり検索」を使うと、今が旬のキーワードからファンドが選べる。
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 検索サービスの名前は「Fサーチ」。これも一般公開されており、SBI証券の「投信」ページから誰でも利用できる。特徴は、あらかじめ一般的な言葉がキーワードとして割り振られていることで、気になるキーワードをクリックすれば、すぐにファンドの一覧が表示される。

 今回は「穀物急騰」で探したいので、通常検索の「コモディティ」でもいいが、銘柄数が多かったので、こだわり検索で「農業」を選択してみた。その結果が【図表4】だ。このリストにある5銘柄の3カ月騰落率を見ると、「コモディティ・セレクション(食糧)」が+15.85%「グローバル・アンブレラUBSフード(豪ドル連動型)」は+14.94%と、2本のファンドが直近で大きく上昇していた。

 「コモディティ・セレクション(食糧)」は、「ダウジョーンズUBSアグリカルチャー(農作物)サブ・インデックス」という指標に連動する債券に投資を行う。投資先を見ると、小麦、とうもろこし、大豆といった穀物が6割を占めており、商品市況の動きが反映されているようだ。今後も穀物価格が高値を更新していくと考えるなら、これらのファンドへの投資を検討してもいいだろう。

【その4】「CFD」で穀物市場をトレードする

 最後は「CFD」だ。CFDとは、現物取引とは異なり、売買の差額で取引を行う差金決済取引のこと。株価指数やコモディティ(商品)などを原資産として参照し、同様の値動きをする金融商品だ。預けた証拠金の何倍もの金額が動かすことができるレバレッジがかかった証拠金取引となる。

 穀物関連は、日本からはシカゴ商品取引所(CBOT)の穀物取引を原資産としたCFDを取引をすることができる。取り扱いがあるのはSBI証券GMOクリック証券の2社【図表5】SBI証券ではコーン/大豆/小麦、GMOクリック証券では、コーン/大豆を取引できる。

 どちらのネット証券でも、上記の商品CFDのレバレッジは20倍に設定されている。たとえば、コーンの取引価格は現在約800ドル(約6万3000円)だが、GMOクリック証券の場合、3200円程度の証拠金で1単位(1枚)ポジションが建てられる【図表5】。CFDはFXと同様に、短期トレードで利益をあげるのが一般的だ。深夜でも取引できるので、昼間は仕事という人にも向いている。

 これまで見てきたように、国内のネット証券が取り扱うさまざまな金融商品とツールを使えば、「穀物高騰」という海外のニュースも投資の材料として活用することができる。さらに、これらのツールを使えば、穀物に限らず、さまざまなテーマに関連する金融商品を探し出すことができるはずだ。ぜひ、ニュースに反応する投資で収益向上を目指してほしい。

※編集部注:本記事はネット証券の情報ツールを紹介するものであり、記事中に登場した銘柄の購入を推奨するものではありません。

(文/久保田正伸)