株ニュースの新解釈
【第81回】 2012年8月23日 保田 隆明

9月に再上場するJAL株は「買い」なのか?

9月19日に上場が予定されているJAL株の仮条件が来週30日(木)に決定される。想定時価総額は6000億~7000億円と言われており、過去2年程度は時価総額が4ケタ以上になった案件は第一生命(8750)や大塚HD(4578)など数えるほどしかなかったため、株式市場の大きな話題となるのは間違いない。すべては値段次第ではあるが、「日本航空(JAL、以下同)」の置かれた状況と今後の見通しについて整理しておきたい。

今のところ、LCCはあまり大きな脅威ではない

 まずは競合環境であるが、言わずと知れたLCC(格安航空会社)の台頭がある。

 日経新聞の記事によると、このお盆の間のLCCの搭乗率は非常に良かったようで、また、乗客の2~3割は初めてて飛行機に乗ったという人たちだったとのこと。これまで他の移動手段を使っていた人たちが飛行機に流れたという意味で、LCCの存在意義やターゲット顧客の明確化がなされたと言える。

 LCCはそのように今までまったく飛行機に乗っていなかった個人客の開拓が1つの強みであろうが、同時に既存の航空会社の顧客も奪うはずである。

 どの航空会社が最もダメージを受けるかという観点では、ANA(9202)/JALは根強いビジネス客人気があるであろうから、これら2社よりも、元祖LCC的な存在であるAir Do、スカイマーク(9204)、スターフライヤー(9206)などがよりダメージを受けやすいと考えられる。そこで、この半年間の航空会社の株価の動きを見ると非常に興味深い。

 ANAの株価の動きは、先般発表された大規模公募増資まではTOPIXのそれとほぼ連動していたことが分かる。LCCの脅威をあまり株価的には感じていないと言える。

公募増資までは堅調だったANA(9202)の日足チャート(1年)。緑が5日、赤が25日、青が75日の移動平均線(出所:株マップ)

 やはりビジネス客が多いこと、また路線数も多いため、収益基盤が安定しているということがあろう。この点はJALも同様だと思われ、JAL株を購入する際はLCCによる競合激化はさほど心配する必要はなさそうである。