つみたてNISA(積立NISA)おすすめ比較&徹底解説[2021年]
2020年10月17日 頼藤 太希

「つみたてNISA」や「iDeCo」を50代で始めるのは
遅すぎる?“老後資金”を運用するのにおすすめの2つの
投資信託と妥当な積立金額などをお金のプロが解説!

つみたてNISAのおすすめ証券会社はココ!

「つみたてNISA」(積立NISA)は、投資で得られた利益(運用益)にかかる約20%の税金がゼロになるお得な制度。この連載では「つみたてNISA」の特徴を紹介しています。

 過去2回の記事では20 ~30代子育て世代という世代別の「つみたてNISA」活用法を解説してきました。そこで今回は、50代の「つみたてNISA」活用のポイントやポートフォリオ例を紹介しましょう。

 50代になると、「つみたてNISA」や「iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)」を活用して老後資金を増やしたいという相談が増えてきています。しかし、50代からでも「つみたてNISA」や「iDeCo」を活用するメリットはあるのでしょうか? 50代独身の場合と、50代妻子ありの場合の2つのモデルケースを見てみましょう。
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「つみたてNISA」は50代から始めてもOK!
できるだけ長く続けて非課税メリットを享受しよう

■モデルケース① 52歳・独身の場合
・Aさん 52歳(独身) IT関連会社勤務(正社員) 年収900万円
・持ち家(住宅ローン無し)
・資産:預貯金500万円、保険商品300万円、有価証券500万円

 Aさんは、IT関連にお勤めの52歳・独身です。年収は900万円と高年収であり、金融資産は1300万円ほどあります。今や人生100年時代と言われ、50代はまだまだこれからの年齢です。Aさんは、65歳以降も元気なうちは働き続けたいと思っています。

 一般的に、50代の投資は、リスク許容度としては「バランス運用(ほどほどのリスク許容度)」が基本です。しかし、Aさんのように独身で金融資産も一定程度あり、住宅ローンの返済もなく、長く働き続けるという方はリスクをとった積極運用もできなくはありません。

 とはいえ、一度に大きな資金で投資商品を購入するとなると、タイミングが難しくなります。それにAさんは60歳になってすぐにまとまった老後資金が必要ということもありません。仕事も続けますし、金融資産も多少はあるからです。そこで、Aさんの老後資金を増やす方法としては、ここで焦って金融商品の一括購入などはせず、長期に渡って堅実に運用できる積立投資をおすすめします。

 税制優遇も活かして長期積立投資をするとなれば、選択肢は「つみたてNISA」「iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)」です。つみたてNISAは、口座開設の条件に年齢の上限はありません。よって、52歳からでも20年間の非課税期間を利用して長期積立投資が可能です。
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 つみたてNISAで投資できるのは、年40万円まで。つみたてNISAの制度改正により、2042年まで投資信託等の購入ができるようになるため、2020年からスタートすれば、2042年までの23年間×40万円、累計で最大920万円まで、非課税で投資できることになります。なお、2018年からつみたてNISAを利用している人は、最大で1000万円まで非課税で投資できます。

 ここはやはり、つみたてNISAで投資できる金額の上限である年40万円でスタートしたいところです。月に均せば約3万3000円。つみたてNISAは税制面で有利な上、いざとなったらいつでも運用をやめてお金を引き出せる使い勝手のいい制度ですから、つみたてNISAをめいっぱい活用してなるべく長く運用を続けるといいでしょう。

 仮に、毎月3万3000円を7%の利回りで運用できた場合、20年間で約1719万円となります。積立元本総額は792万円です。

 目標リターン7%を目指すポートフォリオとしては、SBI・全世界株式インデックス・ファンド[雪だるま(全世界株式)]がおすすめです。これは、日本を含む世界の約8000銘柄の大・中小型株の値動きをもとにしている「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」という指標に連動する投資信託で、この投資信託1本で世界の株式の時価総額の98%をカバーできます。

 ◆ SBI・全世界株式インデックス・ファンド[雪だるま(全世界株式)]
ベンチマーク 基準価額 純資産総額
FTSEグローバル 11,268円 101.61億円
購入時手数料 信託報酬 信託財産留保額
なし 0.1102%程度(税込) なし
※上記数字は2020年10月12日時点
【つみたてNISAで買える金融機関の例】SBI証券松井証券マネックス証券楽天証券
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の基準価額はこちら

「iDeCo(イデコ)」と合わせて目標2000万円!
節税効果を活かしながら老後資産を積み増そう

 次に、所得控除による節税効果を活かせる「iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)」にも加入しましょう。iDeCoは、投資信託などを毎月積み立てて老後資金を作る「自分年金制度」です。つみたてNISAと同じく運用益が非課税になるほか、掛け金が全額所得控除になるというiDeCo独自のメリットもあります。
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 ただし、iDeCoは原則60歳までお金を引き出せません。しかも、60歳でiDeCoのお金を引き出すには、60歳時点でiDeCoの加入期間が10年以上であることが条件になります(企業型DCからiDeCoへ移行した場合には、企業型DCとiDeCoの加入期間の合計が10年以上なら、60歳から引き出せます)。

 iDeCoの加入期間が10年未満の場合には、受給開始年齢が後ろにずれます。Aさんは52歳なので、今からiDeCoを始めても60歳時点では加入期間が8年以上10年未満となり、引き出せるのは61歳からになります。

 iDeCoの引き出し開始が後ろ倒しになってもよいかどうかは、仕事をいつまで続けるか、資産がどれくらいあるかなどによって変わってきます。Aさんのように資産もある程度あり、65歳以降も働きたいという場合には、60歳を過ぎての受給になってしまったとしてもiDeCoに加入するメリットはあるでしょう。

 企業年金のない会社の会社員であれば、iDeCoの毎月の掛け金の上限は2万3000円(年額27万6000円)です。こちらもできれば上限いっぱいまで活用したいところです。

 毎月2万3000円をiDeCoで積み立てた場合、所得税20%、住民税10%(一律)であれば、毎年8万2800円の税金を払わずに済みます。iDeCoは現行60歳(2022年からは65歳)まで加入できますので、52歳からの8年間では66万2400円を節税できることになります。毎年、節税できた分の金額を老後資金の投資原資にすれば、さらに運用効率が良くなります。

 毎月2万3000円をiDeCoで7%運用できた場合、8年間で約248万円となります。積立元本総額は220万8000円です。

 目標リターン7%を目指すポートフォリオとしては、先ほどの、SBI・全世界株式インデックス・ファンド[雪だるま(全世界株式)]がいいでしょう。つみたてNISAと合わせると、毎月約5万6000円ずつ、SBI・全世界株式インデックス・ファンド[雪だるま(全世界株式)]を積立購入することになります。

 Aさんのケースでは、つみたてNISAとiDeCoを活用して約2000万円の資産形成が期待ができます。さらに所得控除による節税効果を66万円、得られることになります。
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子どもが独立する50代は「最後の貯め時」!
夫婦それぞれ「つみたてNISA」口座を開設しよう

■モデルケース② 50歳夫婦の場合
・Bさん 50歳 メーカー勤務(正社員) 年収600万円
・妻 50歳 パート勤務 年収120万円
・子 24歳(独立)
・持ち家(住宅ローンあり)
・資産:預貯金300万円、保険商品100万円

 Bさんは50歳、メーカーに勤めながら子どもを育て上げ、現在は妻と二人で暮らしています。Bさんも、Aさんと同じく65歳以降も元気なうちは働き続けたいと思っています。一般に、子どもが独立した後は経済的余裕ができるので、「人生最後のお金の貯め時」と言われています。

 Bさんの場合、住宅ローンの返済は残っていますが、すでに子どもが独立していますし、老後資産の蓄えが十分ではないので、守りに入らずバランス運用・積極運用を目指すのがおすすめです。

 BさんもAさんと同じく、「つみたてNISA」と「iDeCo」を組み合わせるのがいいでしょう。また、Bさんだけでなく、Bさんの妻もつみたてNISA口座を開設して運用を始めるといいでしょう。
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 毎月4万円(BさんのつみたてNISA口座で2万円、妻のつみたてNISAの口座で2万円)を5%の利回りで運用できた場合、20年間で約1644万円となります。積立元本総額は960万円です。Bさんの年収や住宅ローン、金融資産などを考慮して、Aさんよりも少し保守的な運用を想定しました。

 リスクを抑えつつ目標リターン5%を目指すポートフォリオですが、国内・先進国・新興国の株式と債券、国内・先進国の不動産の合計8資産に分散投資する投資信託がおすすめです。eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は、国内株式、国内債券、先進国株式、先進国債券、新興国株式、新興国債券、国内REIT、海外REITの8資産に12.5%ずつ均等に配分している「バランス型」の投資信託で、この条件に当てはまります。

 ◆ eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)(三菱UFJ国際投信)
ベンチマーク 基準価額 純資産総額
合成指数 11,215円 642.35億円
購入時手数料 信託報酬 信託財産留保額
なし 0.154%以内(税込) なし
※上記数字は2020年10月12日時点
【つみたてNISAで買える金融機関の例】SBI証券松井証券マネックス証券楽天証券
eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)の基準価額はこちら

 また、Bさんの税率が20%(所得税10%・住民税10%)だとすると、iDeCoを利用して月2万円を積み立てた場合、毎年4万8000円の税金を払わずに済みます。50歳から60歳までの10年間では48万円を節税できることになり、毎年節税できた金額を老後資金の投資原資にすれば、さらに運用効率が良くなります。つみたてNISAに加えて月2万円の積み立てができる場合は、iDeCoを活用しましょう。

 iDeCoで毎月2万円を5%の利回りで運用できた場合、10年間で約310万円となります。積立元本総額は240万円です。目標リターン5%を目指すポートフォリオとしては、先ほどの、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)でいいでしょう。つみたてNISAと合わせて、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)に月6万円づつ積立投資することになります。

 Bさんのケースでも、つみたてNISAとiDeCoを活用して約2000万円の資産形成を期待できます。さらに所得控除による節税効果が48万円得られます。
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 今回の試算ではどちらも「2000万円」を目指すプランとなりましたが、老後資金が2000万円必要かどうかは、人によって異なります。というのも、どんな老後を送りたいかによるからです。質素な暮らしでも十分なら少ない金額の準備で済むでしょうし、ゆとりある老後を送りたいならもっと金額を準備しなければならないでしょう。
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 とはいえ、10年後・20年後にある程度まとまった金額を用意すべき事実は変わりません。税制優遇のある長期積立投資制度「つみたてNISA」「iDeCo」を活用して、老後資金の積み増しをしっかり狙っていきましょう。
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頼藤太希(よりふじ・たいき)[マネーコンサルタント]
(株)Money&You代表取締役、ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本証券アナリスト協会検定会員。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職。女性向けWEBメディア「FP Cafe」や「Mocha(モカ)」を運営。メディアなどで投資に関するコラム執筆、書籍の執筆・監修、講演など日本人のマネーリテラシー向上に努めている。著書は『投資信託 勝ちたいならこの7本!』『やってみたらこんなにおトク! 税制優遇のおいしいいただき方』『入門仮想通貨のしくみ』『つみたてNISAでお金は勝手に増えていく』など多数。twitter→@yorifujitaiki