超成長株投資で資産10倍計画!
2021年6月30日 山本 潤

短期的な株価の下落時の対処法とは?
長期的で計画的なナンピンと
頑張る企業への「敬意」が大事

山本潤の超成長株投資の真髄 第118回

短期的な相場の下落に、過剰「反応」する投資家が多い

   相場の短期的な下落に対して、過剰に「反応」する投資家が多いと感じます。反応とは、私の定義では「新しい事態が起きた際、即座に手を打つこと」です。その最たる行為の1つがナンピンです。ナンピンは短期的な下落に反応して行うものではなく、長期的な計画に沿って行うべきものです。

ナンピンは長期的な視点で計画的に行う

 私が行なっている計画的なナンピンは、次のようなものです。例えば、VIX指数(ボラティリティインデックス)、為替レート、原油価格などの指標を月次でモニタリングします。それぞれに閾値(いきち)を設定しておき、経済ショックなどが起きて閾値を超えるとトリガーを発動させるようにします。

 トリガー発動から1か月後に平時に近づく確率と、2カ月後に平時に近づく確率、4カ月後に平時に近づく確率、16カ月後に平時に近づく確率を比べます。多くの場合、16カ月後と1か月後の平時に近づく確率には大きな差があり、この差が長期がくれたオポチュニティと定義します。両者のオポチュニティは4倍ぐらい差があるのが普通です。

計画的ナンピンで好成績を収めた「東京2020 一か八かファンド」

 トリガーが発動したら、ポートフォリオの性格を少し変えます。具体的には、1年4カ月後を見据えて攻撃的なハイベータ株をNAV(基準価格)がピークから下がった分だけ入れ替えるか、追加投資します。資金に余裕がある場合は追加投資し、余裕がない場合は銘柄を入れ替えます。モニタリングしている指標が、当初の目論見通り、平時に回帰した時点で反対売買を行い、平時のポートフォリオに戻します。こうしたやり方を実践し、好成績を挙げたのが「東京2020 一か八かファンド」(詳しくはこちら)です。

長期投資において大事なのが「そもそも」から考えること

 話は変わり、最近たまに起きる相場が急落する理由を考えてみましょう。暴落は、投資家が「金利上昇→資本コストの上昇→株価の下落」という連想をしたことで起きています。一方、「物価上昇→EPSの増加→株価の上昇」という良い連想での急騰はあまり起きていません。どちらかというと値上げは価格交渉力に依存するため、個別企業ごとに可能性を考えるべきものだからです。

 長期投資においては、さらに深掘りして、例えばFRBがテーパーリングや金利引き上げをしないといけない「そもそも」の理由や背景を考えることが大事です。「そもそも」からを考えるのは長期投資家の専売特許です。テーパリングや金利引き上げをすべき理由は、物価が心配なほど上昇しているからです。一方、多くの国々の最終的な目標はマイルドなインフレ(持続可能なインフレ)です。

 DFR会員のある方が日本の中古車のオークション価格の推移を計算したところ、日本でも中古車の価格は二桁の勢いで上昇しています。中古車業者は何もしなくても増収となるわけですから業績にプラスです。中古車のリセール価格が上がれば、新車購入もしやすくなります。200万円の新車を購入する際、下取り価格が10万円上がれば、190万円で買えることになり、新車も売れるようになるでしょう。

BPSの推移が株価を決定する 

 札幌学院大学教授の玉山和夫氏が2015年に発表した「晴れた日には日経平均4万円が見える」という論文の中に長期投資で最も大切な視点が書かれています。それは「BPS(1株当たり純資産)の推移が株価を決定する」というものです。ただし、これには条件があります。ROE(自己資本利益率)などの経営効率性や事業収益性を表す収益性指標への信頼があることです。つまり、経営者への信頼とも言えます。このような条件を満たす株は買っておけば長期で上がるものです。

 日本企業の弱点は効率性の悪さです。資本回転率などが悪い。現金を保有しすぎ。資産効率が悪い。これらを改善するためにはガバナンス改革が必要です。ただ、アクティビストのように北風になるのではなく、太陽になって応援する方が受け入れられる。投資家の信頼を得るにはESG的な評価を高めることです。社会的に意義がある事業、社員がやる気になる事業を手がけている企業なら苦境も突破できるのです。熱意が人を動かします。銀行も投資家も頑張る企業を見捨てません。

 頑張る企業や人を見捨てない。これが長期投資の本質であり、人間の本能と理性が重なり合う珍しいパターンです。人類しかできない叡智なのです。投資家や金融機関は全力で投資して企業を信じ、経営者もそれに応えるべく全力でのぞむことが求められます。

 投資で成功するために欠かせないのが、他者への「敬意」です。他者から提供されたことに敬意を払い、その対価をしっかりと払うことです。フリーライダーが多いと社会は衰退します。自分さえ安ければよい、安さをもとめて消費せずため込むばかりだと、社会全体は沈んでいくのです。

(DFR投資助言者 山本潤)

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