超成長株投資で資産10倍計画!
2021年7月21日 山本 潤

農薬など手がける日本曹達(4041)は長期で買い。
グローバルニッチ戦略で世界での競争優位性は高い。
下値余地少なく、目標株価は5400円

山本潤の超成長株投資の真髄 第120回

農薬などを手がける日本曹達(4041)は長期で買い

 農薬や化学品などを手がける日本曹達(4041)は、長期で買いだろう。今後、業績モメンタムが改善し、株価上昇が期待できるからだ。同社の前期末(2021年3月期)のEPSは255円で、今期末(2022年3月期)の会社予想EPSは269円だが、来期末(2023年3月期)の予想EPSは359円(QUICKコンセンサス予想)と大きく跳ね上げる見込みだ。

 来期末予想EPSの約360円をベースに目標株価を考えれば、PER15倍程度だと5400円になる。また、来期予想BPSは利益の積み上がりによって5700円程度になるだろう。従って、同社のPBRは0.9倍台まで是正されることが期待される。

同社の競争優位性を高めるのがグローバルニッチ戦略

 同社が手がける農薬はメジャー穀物向けではなく、それより市場規模が一桁小さい野菜や果物など向けが多い。野菜や果物はローカル品種も含めると多種あることから、必要な農薬も多種に渡る。それもあって競合が少なく、大手が参入しにくいという特徴がある。こうした同社のグローバルニッチな戦略が、世界での競争優位性を高めていると言える。

 野菜・果物系の農薬は、薬の成分がほぼ同様であっても、生育地域や品種拡大に適応するための申請が必要であり、そこに同社の強みがある。安全基準などは各国で異なるため、申請方法や申請コストの見通しをするのにノウハウが必要だ。

環境に優しいこともグローバルシェア拡大の一因

 同社がグローバルシェアを拡大している背景には、同社製品が環境に優しいこともある。例えば、欧州シェアが昨年大きく上昇した理由として、ミツバチなどの益虫に対して農薬の影響が最も少ないことが評価されたことがある。一方、競合製品は環境規制で利用が半永久的に禁止されたこともあり、同社のシェア拡大は今後も継続するだろう。

 収益力向上が期待できる理由は、費用の低減もある。同社の歴史で初めてだが、直近で農薬を一気に3つも市場に投入した。そのため、ここ数年は新薬投入のための委託試験費用が通年より約15億円上乗せされるなど、先行投資費用がかさんでいた。農薬が環境や人体に及ぼす影響や安全性を確認するために行なう委託試験費用は新薬ローンチ前に追加でかかる一過性の費用であるが、その上乗せがなくなることで今年から正常に戻る。さらに新薬の売上貢献が始まることも大きい。

ROIC経営に着手、今後の資産効率向上に期待

 ROIC(投下資本利益率)経営に着手し、経営改革にも期待が持てる。同社は資産効率は現状効率的とは言いにくい。保有アセットには政策保有株式なども多く、投資有価証券は400億円に上る。400億円規模のアセットを入れ替えることで、バランスシートを最適化し、今後は投資効率の高い分野に集中投資する計画だ。

 成長が期待できる分野として、現在高いシェアを誇る、錠剤を固める材料を作るHPC事業がある。薬の主成分に応じた配合や、錠剤の摂取回数を減らすために体内のどこで溶かせるかなどのシミュレーションなど高度なノウハウが求められる。

課題は市場認知度の低さ、配当利回り高いので下値余地も小さい

 同社の課題はカバレッジする証券会社が1社と少なく、株式流動性の低さもあって市場認知度が高くないことだが、今後、収益力向上で市場の認知度や株式バリエーションの高まりが期待できる。また、経営方針として配当80円を下限と決めるなど高い配当利回りに支えられ、株価の下値余地が小さいなど、長期保有するには安心感がある。

(DFR投資助言者 山本潤)

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日本曹達(4041)/日足・6カ月(出典:SBI証券公式サイト)