「勝者のゲーム」と資産運用入門

謹賀新年!2022年の株式市場で戦う最重要な考え方。
個人投資家が有利に戦う方法を学び「勝者のゲーム」をしよう。
-日本株のトップアナリストによる投資講座-太田忠の勝者のポートフォリオ 第13回

2022年1月5日公開(2022年3月29日更新)
太田 忠
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2022年の投資戦略を練る上で最も大事な考え方を伝授しよう

 明けましておめでとうございます。皆さんも良いお正月を迎えられたことと思う。今年は寅年。あまり勝率の良くない年回りだそうだが、マーケットを考えるうえで日本の干支はあまりアテにならない。早速、今年最初のコラムを始めてみよう。

 個人投資家は「勝者のゲーム」をしよう! この言葉を聞いて皆さんはどう思われるだろうか?「なんだ、株式投資というゲームに勝つことではないか」くらいにしか思われないかもしれないが、実はそう単純な話ではない。「勝者のゲーム」という言葉には少々説明が必要なので解説することにする。

 おそらく証券市場に詳しい人ならばニヤリとするに違いない。なぜなら、証券市場には「敗者のゲーム」という言葉はあっても、「勝者のゲーム」という言葉はないからである。これは私が勝手に作った用語であり、私が提供するメルマガ配信およびポートフォリオ提案などを行う資産運用サロン「勝者のポートフォリオ」のベースになっている考え方でもある。

テニスのプロとアマの戦い方から学ぶ、株式投資における個人投資家の戦い方とは

 なんだかとても悲しい響きがする「敗者のゲーム」という言葉は、米国のチャールズ・エリスが1975年に書いた論文『The Loser’s Game』で一躍脚光を浴びた概念である。

 例えば、テニスの試合において、プロのゲームとアマチュアのゲームとでは全くその性質は異なる。プロのゲームにおいては、得点は勝者側の狙いが的確に決まったときにはじめて獲得することができる。これはまさしく自ら得点を勝ち取ることが勝利を導くという意味において「勝者のゲーム」である。ジョコビッチや錦織圭、大坂なおみといったトッププレーヤーがまさしくそれだ。コートの隅ぎりぎりに狙いすました猛烈なショットを放ち、自ら得点を取りに行く。勝負は常に前へ前へと、攻めの姿勢を貫いて戦わなければならない。

 一方、アマチュア同士のテニスの試合においては自らのショットが見事に相手のコートにヒットするなどということはめったになく、敗者側が一方的にミスを重ねることで結果的に勝者が出来上がる。これは「敗者のゲーム」ということができる。ジョコビッチは自分の試合で相手がミスすることなど、これっぽっちも期待していない。正反対だ。

個人投資家は、機関投資家に勝る「勝者のゲーム」ができる

 株式運用の世界においても実はこうした性格が強い。数多くのファンド・マネジャーが競争しているプロの運用の世界では、勝者になるゲームをするのではなく、敗者にならないゲームをおこなわなければならない。自分のミスを最小限に抑えながら、相手側(すなわち、同業他社のファンド・マネジャーたち)がミスを重ねて自滅していくのを見届けつつ、できる限り長く生き残る者が結局のところ勝利者となる。プロの投資家の多くは市場平均にすら負けているのである。

 そこで、私が提唱したいのは機関投資家が「敗者のゲーム」ならば、個人投資家は「勝者のゲーム」をしよう!である。テニスのプロの試合と同じく、自ら得点を勝ち取ることによって自らを勝利に導いていく勝者になろう!である。

 フルインベストメントしなくてはならない、などと制約の多いファンド・マネジャーに比べて、個人投資家はフレキシブルに動くことができる。加えて、インターネット証券のおかげで「リスク管理」も徹底しておこなえるようになった。投資に必要な情報も簡単に手に入る。すなわち、個人投資家は機関投資家よりも圧倒的に優位な立場になっているのだ。

 しかし、そのことに気づいている個人投資家は少ないようだ。この優位性をまず皆さんに噛みしめてほしいのだ。そこからさまざまな投資戦略を繰り出せる。

株式市場は「無知」だと「お金を失う」厳しい世界。「気づける」投資家になろう

 資産運用とは「気づき」であり、「気づくか、気づかないか」が投資家としての明暗を分けると私は考えている。だから、多くのことに「気づく」投資家になっていただきたいのだ。多くのことに気づければ、壊滅的な損失から無縁となり、やってはいけないことをやらない投資家になることができる。私のメルマガは「気づき」を提供する場でもある。

 実に多くの個人投資家たちが何も知らないまま安易に株式投資をしている。そして、やってはいけないことをして真っ青になり冷や汗を流している。株式投資において「無知」であることは「お金を失うこと」と同じ意味である。単にお金を失うだけではなく、精神的なダメージも計り知れない。お気の毒に、と言うしかない。

 しかしながら、いろいろと良い知恵を事前に備えていれば、たとえ相場が厳しい状況になっても冷静に判断ができる。長期的には必ずや良い結果をもたらしてくれるだろう。もう一度、冒頭の言葉を繰り返して今年最初のメルマガを締めくくる。

個人投資家は「勝者のゲーム」をしよう!
― 「勝者のゲーム」をするのは、まさにあなたである

(DFR投資助言者 太田 忠)

 この連載は、ワンランク上の投資家を目指す個人のための資産運用メルマガ『太田忠 勝者のポートフォリオ』で配信された内容の一部を抜粋・編集の上お送りしています。メルマガに登録すると、週2回のメルマガの他、無料期間終了後には会員専用ページで「勝者のポートフォリオ」や「ウオッチすべき銘柄」など、具体的なポートフォリオの提案や銘柄の売買アドバイスなどがご覧いただけます。

 

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