世界投資へのパスポート
【第259回】 2013年4月8日 広瀬 隆雄

「日本の金融緩和は米国の3倍もパワフルだ」
ジョージ・ソロスが日銀の采配を高く評価するワケ

日本国債よりも株や外国債券に投資のチャンスが広がる!

「モルヒネ」は「緩慢な死」よりマシ

 それにもかかわらず財政ファイナンスがとりわけ「危ない」とタブー視されるのは、その経済学上の運営・管理のむずかしさ故ではなく、むしろ政治的な理由によると彼は主張します。

 つまり、いちど財政ファイナンスを始めてしまうと、国民はそれのもたらすモルヒネ注射のような気持ちの良さの虜になってしまい、止めなければいけない時期が来ても、今度は「なぜ止めるんだ!」という意見が強くなって止められなくなってしまう、そこが「危ない」というわけです。

 こうした点で、ターナーは財政ファイナンスの孕んでいるリスクを決して軽く見ているわけではありません。

 しかし、日本が過去25年間辿ってきた「緩慢な死」への道を歩むよりは、リスキーでもこれを試してみる価値はあるというわけです。

「禁じ手」OK時代の資産運用

 4月4日に発表された日銀の緩和政策は、日銀による新発債の買い入れもそのスコープの中に含められていたので、いよいよ財政ファイナンスという「禁じ手」が始まったと考えていいと思います。

月々7兆円という金額は市場が予想していたよりも多いものでした。この点についてソロスは、「買い入れ額は米国のFRBのペースとほぼ同じだが、アメリカ経済の方が日本より3倍大きいことを考えると、今回の日本の買い入れプログラムは3倍パワフルだ」とコメントしています。

 私の考えでは、日本のGDPに対する国債流通量(下図の棒グラフの赤い部分)はアメリカのそれよりも遥かに多いので、その分、買い入れプログラムも大きくする必要があると思います。