貯金のプロが教えるネット銀行活用術
【第4回】 2015年9月8日 八ツ井慶子

個人投資家は「証券系」ネット銀行を使わないと損!
「金利が上がる」「手数料が無料になる」など
ネット証券と連携すれば得するネット銀行を紹介!

ネット銀行は力を入れるサービスを絞った“専門店”。
利用するサービス、お得なサービスに着目して選ぶべき!

 ネット銀行というと、「預金金利が高め」「手数料が安い」などのイメージがすでに定着していると思います。ただ、いくつもあるネット銀行のそれぞれの特徴や、各ネット銀行が独自に手掛けているサービスまでは、一般的にはまだあまり知られていないかもしれません。

 そもそも、店舗のある普通の銀行と、店舗がない(少ない)ネット銀行の違いはどこにあるのでしょうか。今回はその違いの説明から話を始めていきましょう。

店舗のある普通の銀行は、いってみれば“デパートのようなもの”です。特に、三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行といった都銀は、銀行が備えているべきサービスのほとんどすべてを取り揃える、大手の老舗デパートです。

 預金ができるのはもちろんのこと、住宅ローンなどの融資も行いますし、投資信託や国債、保険など、金融商品の販売もしています。また、給与振込や年金の支払い、受け取り、学費の引き落とし、確定申告した還付金の受け取り、税金の支払い、公共料金の支払いなど、保有する口座をあらゆる場面で活用することができます。他にも、外貨との両替など、一通りのサービスを取りそろえるお金のデパート、それが店舗のある通常の銀行です。何でも揃っていて、非常に使い勝手がよいのが特徴です。

 これに対し、ネット銀行はデパートではなく“専門店のようなもの”です。ネット銀行には、必ずしも都銀と同じようなサービスが揃っているわけではありません。都銀に近いネット銀行もありますが、何らかの分野に力を注ぎ、都銀よりも特徴を出したサービスを提供していたりもします。

 最も象徴的なのは「セブン銀行」でしょう。

「セブン銀行」は、コンビニのセブン-イレブンを中心として、ありとあらゆる場所にATMを設置しています。普通の銀行は、預金をなるべくたくさん集めて融資に回し、そこから得る金利収入(利ざや)を主な収入源としていますが、「セブン銀行」は提携している他行からのATM手数料収入がコアになっています。実際、「セブン銀行」に口座は開設していないものの、ATMを利用したことがある人は多いでしょう。

 セブン銀行
コンビニATM出金手数料 振込手数料(税抜)
セブン-イレブン ローソン ファミリーマート
(E-net)
ミニストップ
(イオン銀行)
7~19時は無料
それ以外の
時間帯は100円
 同行あて:50円
 他行あて:200円
【セブン銀行のメリット】普通預金金利が、誰でも0.05%とメガバンクの2.5倍お得! セブン銀行ATMは、全国に2万2000台以上。給与振り込みで毎月10ポイント、クレジットカードなどの自動引落で10ポイントなど、銀行取引で自動的にnanacoポイントも貯まる!

 そんな「セブン銀行」ですから、口座開設をしても、利用できるサービスは限られています。主な銀行サービスのうち、「セブン銀行」で提供されているサービスと提供されていないサービスを○×で示すと、以下のようになります。

【セブン銀行の商品・サービス】
○普通預金
○定期預金
×外貨預金
×公共料金の口座引き落とし
(電話料金など一部可能なものもアリ)
×住宅ローン
×金融商品の販売


 こうして見ると、デパートタイプの都銀と比較して、商品やサービスがかなり絞られていることがわかります。ここまで極端な例は少ないですが、他のネット銀行にも多かれ少なかれ“ある”サービスと“ない”サービスがあり、それが各ネット銀行の個性になっています。専門的なサービスに絞って提供することで、浮いたコストを預金金利に上乗せしたり、手数料の引き下げにつなげたりしているのが、ネット銀行全体の特徴です。

 一昔前、まだネット銀行がない時代には、銀行サービスはすべて横並びで、金利も手数料もサービス内容も同じでした。が、今は違います。ネット銀行を中心として、銀行ごとに特色を打ち出してきており、私達はそれぞれ自分に合った銀行を選ぶ時代になりました。適切な銀行を選ぶには、各行の特性を知っておく必要があります。

 ネット銀行は、特徴の似た銀行もあるので、いくつかのジャンルに分けて考えてみたいと思います。まず、今回は証券会社と連携している「証券系」とも言うべきジャンルのネット銀行から紹介していきましょう。

 ここで言う「証券系」ネット銀行とは、同じグループに証券会社があり、サービスにおいて証券会社と緊密に連携している銀行を指します。証券系の主なネット銀行は次の通りです。

◆住信SBIネット銀行
◆大和ネクスト銀行
◆楽天銀行


 銀行名を見ればすぐにわかると思いますが、「住信SBIネット銀行」が連携しているのは「SBI証券」、「大和ネクスト銀行」が連携しているのは「大和証券」、「楽天銀行」が連携しているのは「楽天証券」です。
(※編集部注:さらに、2015年6月末には「GMOクリック証券」を擁するGMOグループも「あおぞら銀行」とネット銀行の共同運営を検討すると発表しており、早ければ2016年度中にも営業を開始する見込みです)

大和ネクスト銀行」は「大和証券」の利用者か、「大和証券」と「大和ネクスト銀行」を一緒に口座開設する必要がありますが、「住信SBIネット銀行」と「楽天銀行」は、証券会社の口座を持っていなくても使えます。ただし、「ネット証券」と「ネット銀行」の両方に口座を持ったほうがメリットがあります。順番に「証券系」各ネット銀行の特徴や注目サービスを紹介していきましょう。

【証券系ネット銀行その(1)】住信SBIネット銀行
サービスの充実度は「証券系」ネット銀行随一!
欠点は“公共料金の引き落としに穴がある”点

 まずは、「住信SBIネット銀行」です。

 住信SBIネット銀行
コンビニATM出金手数料 振込手数料
セブン-
イレブン
ローソン ファミリー
マート

(E-net)
ミニストップ
(イオン銀行)
月2回~15回無料(※)、以降は100円  同行あて:無料
 他行あて:
月1回~15回無料
  (※)、以降は142円
【住信SBIネット銀行のメリット】コンビニATM出金手数料と他行あての振込手数料がそれぞれ最大15回まで無料(ランク4の場合)。さらに、「SBI証券」の証券口座と連動する「SBIハイブリッド預金」をつくれば、普通預金金利が大幅にアップ!
※「スマートプログラム」のランクによって、無料出金回数および無料振込回数は異なります。
住信SBIネット銀行の公式サイトはこちら


 先ほどの「セブン銀行」と同じ基準で、「住信SBIネット銀行」のサービス内容をチェックしてみましょう。