東門に面した校舎北棟・南棟の入り口にはケヤキの樹が生えている。大学キャンパス内には樹齢200年のケヤキの大樹があるなど、武蔵野の面影を伝える。入口に向かって左手には、軟式テニスのコートに加えて、武蔵の象徴でもあるやぎ小屋もあり、休日も係の生徒がエサやりや清掃に訪れていた

2022年に創立100周年を迎える武蔵。同じ東京男子御三家の開成や麻布と比べ、広く自然に恵まれたキャンパスで6年間をゆったりと過ごせる点に最大の魅力がある。2020年11月には学校説明会に代わる学校見学会が実施され、先生方の引率の下、親子で校舎内を見学後、体育館から校庭、川などを散策した。入学後の自分の姿を子どもたちはキャンパスに重ねることができたかもしれない。(ダイヤモンド社教育情報)

「武蔵お散歩MAP」を手に校内見学

 校内を歩いていると、日本初の旧制七年制高校から続く1世紀にもわたる歴史の蓄積が受け継がれていることが分かる。都心の学校では考えられない緑豊かなキャンパスからも、その様子を感じ取ることができるかもしれない。

 建学以来の三理想の一つ、「自ら調べ自ら考える力ある人物」とは、元祖「自調自考」といえる。武蔵には上履きはない。制服もない。代わりに、中学に入ったときから大学生のように扱われるリベラルな雰囲気がある。

 学年生徒数は160人、全校併せても1000人弱という文字通りの少数精鋭の完全中高一貫校である。学校負担での海外研修が行われるなど、国際化の進展に向けた支援も手厚い。

 新型コロナ禍の影響もあって、2020年は学校説明会に代わり、「武蔵お散歩MAP」を手にしての校内見学が実施された。当初30分でという見込みも、実際に歩いてみると50分弱を費やすほど見どころは多い。主なスポットごとにコメントを記した。