大学全入時代だからこそ選びたい 価値ある女子大

共学化、合併・統合などによる総合大学化などによって、女子大の数は減りつつある。とはいえ、日本の女子教育を長く支えてきた女子大の存在感は揺るがない。女性であることを大切にしながら、リーダーシップやスキルを磨く。幅広い教養と実践的な専門知識を有する、バランスのとれた人材養成の場として、社会からの評価は高い。社会のニーズの変化に合わせ、しなやかに進化する女子大の今を紹介する。 取材・文/米田真理子 撮影/倉部和彦 イラスト/相川葉子

大学の出口、就職で差がつく女子大の魅力と実力とは?

第2の氷河期などと称されることもあるほど、ここ1〜2年の就職状況は厳しい。そのなかで、高い就職率を誇るのが、女子大である。共学の大学との違いはどこにあるのか。女子大で学ぶメリットは何か。女子大選びのポイントとともに、女性のキャリアディベロップメントに詳しい上田晶美氏に聞いた。

 「女子大には、大きな二つの魅力があると思います」と、ハナマルキャリアコンサルタントの上田晶美氏は切り出した。その一つは、「学生時代を通じて、女子がリーダーシップを発揮できる機会を比較的多く得られることです」。共学の大学では、ゼミやサークル活動などのリーダーは、男子学生が務めがちだ。女子はサポート役に回ることが多くなる。一方、就職活動の場では、リーダーシップ経験が重視される。「イヤなことがあっても逃げない責任感や、メンバーを引っ張るコミュニケーション力が備わっていると、企業が信頼を寄せる要素になるからです」。つまり、人材としてさらに成長する潜在力があると判断されるわけだ。

 もう一つは、「マナー教育が徹底していることです」。たとえば、学生同士や教職員に対してはもとより、来客や守衛など、学内で出会う人にはすべて大きな声で挨拶するルールのある大学がある。挨拶はコミュニケーションの第一歩であり、相手を尊重する気持ちにもつながる。社会人として出発するに際して求められる基本的な資質を磨くのに、女子大は適した場だというわけだ。

 「就職面接では、会場の建物に入るときから審査が始まっていると考えなければなりません。受付で気持ちよく挨拶できるのは、そうした習慣ができている学生だからこそ」と、上田氏は言う。

 さらに、「女子大に限らず、小規模校では教員の目が行き届きやすく、教育効果が高いメリットもあります」と、上田氏は付け加える。

 高校までは与えられた課題をこなすことが学習の中心だった学生にとって、自ら課題を見つけ出していく大学での学びには戸惑いが少なくないという。この点、手厚い教育体制を期待できる小規模校では、学生一人ひとりに合わせたサポートにも熱心なケースが多い。

 一方、デメリットも見逃してはならない。「共学の総合大学に比べて学部が少なく、男子学生がいません。就職活動中に入手できるナマの情報が少なくなる可能性があります」(上田氏)。とはいえ、デメリットを認識しておけば、対策は立てられると上田氏は言う。「早くから学外との交流の機会を持つなど、デメリットを埋める方法はいくらでもあります」。

 大学横断的に実施される行事やサークルに参加するなど、積極的な働きかけが人脈を広げることにつながる。

  • 1ページ
  • 2ページ

ダイヤモンド・オンライン

ダイヤモンド社のビジネス情報サイト ダイヤモンド・オンライン プラス

ハナマルキャリア
コンサルタント 代表

上田晶(うえだ あけみ 早稲田大学教育学部卒業後、流通系企業にて広報、人事教育、商品企画などを経験。12年間の勤務の後に、出産を機に退社し、94年ハナマルキャリアコンサルタントを設立。大学生の就職や女性のキャリアディベロップメントをテーマに、大学での講演やラジオ・TV出演、執筆などに幅広く活躍する。『これで内定!カリスマ就活生の成功法則』など著書多数。