日本の住宅が変わる!「安心・安全」で「エコ」な家へDIAMOND online plus

古い「家づくりの常識」を変えていく

まだまだ進化する住宅の環境性能 費用対効果を考え、上手に投資したい

太陽光より効率がいい「太陽熱」の利用

 エコロジーとエコノミーの両立は理想ですが、なかなか難しい面もありますね。

坊垣 何十年も議論されてきた「新築建物の省エネ基準の義務化」が、ようやく2020年以降に実施される見通しで、そうなると省エネ性能が悪い家は建てられなくなります。ポルトガルでは、06年に太陽熱温水器の住宅への設置を義務づけました。そうした強い政策を打つことが、効率面ではいちばんなのですが、日本は、なかなかそこまではいきません。

 義務化は大きな変化ですね。ところでポルトガルの政策は、太陽光ではなく、太陽熱を導入するものなのですか。

坊垣 じつは太陽エネルギーを電気に変える効率は10~15%にすぎませんが、太陽熱を利用して屋根の上でお湯を温める温水器だと、40%の熱効率なのです。太陽熱の利用は、温水器を屋根に載せる以外に、パラボラアンテナで熱を集めて電気に変換する仕組みもあり、こちらも効率は30%と高くなります。

 太陽熱利用がそんなに高効率だとは、知りませんでした。

坊垣 すでにマンション向けの太陽熱ソーラーシステムも普及し始めており、現在はそれを戸建て向けに商品開発しているところです。自然エネルギーの活用については、いろいろな技術開発が進んでいますから、今後もエコで便利な設備が続々出てくるし、それがエコノミーに結び付くはずです。

構造部分と設備部分を分けて考えていこう

坊垣 住宅の省エネ化がこれまでなかなか進まなかったのは、省エネ化が進んだ住まいが、健康や快適さに直結するという点が、なかなか理解されなかったためです。ところがその差は、住み始めてみると非常に大きい。病気になって病院にかかるコストが減ることまで換算すると、省エネ投資はかなり元を取りやすくなりますよ。

 投資分は、回り回って自分に返ってくるのですね。

坊垣 日本の住宅はようやく、性能の追求というレベルに達してきたところです。住まいの長寿命化につれ、基本的な構造部分をしっかり造り、将来変えていく設備部分は、そのつど最新のものを取り入れるというように、使い分けが明確化してきました。そうやって変えながら住み続けることで、日本の家はこれから、まだまだ快適になっていくと思います。

太陽熱利用システム
太陽熱利用機器にはソーラーシステムと太陽熱温水器がある。マンションで普及し始めたソーラーシステムは、集熱器をバルコニーにはめ込んだタイプ
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「週刊ダイヤモンド」2011年10月29日号も併せてご参照ください
※この特集の情報は2011年10月24日現在のものです

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