ブロックチェーンを利用したプロダクトやサービスを提供するIFA株式会社。神崎 知樹は一度は大手企業に入社するも、悩み抜いた末に1カ月でIFAへの転職を決意しました。安定を選び、大手を選んだ神崎の心を揺さぶりつづけたのは、アルバイト時代の自分を家族のように大切にしてくれた、社長や仲間たちの存在でした。

大学を卒業後に「なんとなく、大手」で得たもの

進学や就職など、未知の世界へ一歩を踏み出すとき、情報の多い道には安心感があります。たくさんの人が選んだ道や、耳にしたことのある言葉には、それだけで安全であることを保証されたように感じるものです。

けれど、人によっては言葉にはできない「何か」が心のどこかに引っかかり、悶々とした気持ちを抱えることもあります。青山学院大学を卒業し、大手企業への就職を決めた神崎 知樹もそのひとりでした。

神崎 「就職活動をしていたころは、“この企業”とか“この業種”といった明確な希望をもっていませんでした。ITやガジェット、車などに興味があったので、大手のメーカーや自動車系の会社を受けました。
大手に特別な魅力を感じていたわけではありません。ほとんどの友人が大手を選んでいて、父からも『こだわりがないなら大手のほうが安心だろう』と言われたことで、なんとなく選んだ会社の採用試験を受けました」

一方で就職活動をスタートさせたころ、神崎は中高時代の同級生で、当時すでにIFA株式会社(以下、IFA)の取締役として活躍していた桂城漢大に声をかけられます。

それまで「暗号資産については世間を騒がせるようなニュースしか知らず、いいイメージがなかった」と話す神崎。ところが桂城の語るブロックチェーンの可能性には、心が躍ったとふり返ります。

神崎 「とても楽しそうなことを始める会社だと知って興味がわき、大手企業への内定が出た後、卒業までのあいだアルバイトをさせてもらいました。仕事はもちろん興味深かったのですが、それ以上に社長の人柄や会社の雰囲気が本当に良くて。
社長からも『今からでも就職する気があるならおいで』と言ってもらいました。けれどやはり就職はベンチャーより大手が安心だろうと、当初の予定通り大手企業への就職を選びました」

「いつかではなく、今」入社後すぐに退職を決意

入社した企業では先輩や同期社員に恵まれ、選択にまちがいはなかったと確信を深めた神崎。一方で心のなかにはいつまでも、IFAへの想いが残っていました。

脳裏に浮かぶのは、会社のブレーンとしていきいきと働く幼なじみの桂城や、アルバイトの自分をあたたかく迎えてくれたスタッフ。そしてバイタリティーにあふれた社長の水倉でした。

いてもたってもいられなくなった神崎は、父に自分の想いを相談。大手をすすめた父が、反対するかもしれないという不安も心のどこかにありました。

神崎 「私からの相談に対して、父は『本当にやりたいことがあるなら、まだ若いのだから挑戦してみればいい』と背中を押してくれました。ただ急な決断でもあり、IFAの社長には一度会わせてほしいと。そこで改めて社長の水倉仁志に連絡を取り、3人で食事をしました」

もとより反対する意思のなかった父と、「いつでも歓迎する」という気持ちをもちつづけていた水倉との会食は終始なごやかに進み、神崎は転職を決意。配属先が決まる前日、人事部に退職を願い出ました。

入社して1カ月もたたない退職願に、人事部の担当者は驚きを隠しませんでしたが、神崎の想いを聞き、快く送り出してくれたと言います。

神崎 「最初に就職した企業で、何年かがんばってから転職という選択肢もありました。けれどそのころには、IFAの事業もある程度形ができているだろうと思ったんです。途中から参加するのではなく、立ち上げの段階から会社と一緒に成長したいという想いは強かったですね」

先輩社員から学んだ、ビジョンを伝えることの大切さ

まわり道をしながらも、IFAへの入社を果たした神崎はマーケティング事業部に配属。確固たる意志をもって、新たなスタートを切りました。

2019年現在は先輩社員に同行し、営業補佐や資料作成などの業務をこなしながら、アルバイト時代とはちがう意識が芽生えていることを感じています。

神崎 「社員になってからは、失敗したときにそのときの状況を丹念にふり返るようになりました。原因はなんだったのか、失敗するまでに周りの人と情報は共有できていたのかを何度も考えています。
予想もしなかったミスのように思えても、たいていは報告・連絡・相談のような基本的なことがおろそかになっていることがほとんどです。社員になってからは周りの人とつながり、ミスをなくすことを一段と意識するようになりました」

事業説明会では、プロダクトについての説明も担当するようになった神崎。まだまだ先輩社員に学ぶことは多いと話します。

神崎 「私たちが扱っている暗号資産は、多くの人にとって理解しにくいものかもしれません。そのため最初はとにかくきちんと説明しなければ、と焦る気持ちが先行していました。
けれど自分たちの理念に共感してくださるお客さまは、必ずしもプロダクトの細かい仕様が知りたいわけではありません。
上司や先輩がお客さまに説明している様子を見ているうちに、お客さまが心の深い部分で共感してくださるのは、会社のビジョンや理念、プロダクトのおもしろさだと感じるようになりました」

神崎自身も、入社2カ月で転職を決めるほどこの会社に魅力を感じたひとり。そう考えると気持ちが軽くなり、自分がいかにIFAのビジョンやプロダクトにワクワクしたかを的確に伝えられるようになりました。

すると、こみ入った説明には「とりあえず一度考えてみます」という返答ばかりが続いたのに対し、「おもしろそうだね、ちょっとやってみようか!」という反応が増え始めたと言います。

神崎は自分自身が会社とプロダクトを信頼し、お客さまにその素晴らしさと楽しさを伝えることがどれほど大切かを痛感しました。

型にはまらないメンバーに出会った今ふり返る“あのころの自分”

もしあのとき、IFAを選ばなかったら。

神崎は今でも自社の先輩社員を見ながら、選ばなかった未来を考えることがあります。

神崎 「就職試験を受けた大手企業はどこも、何年もかけて責任と社会的立場を担うにふさわしい社員を育成していました。二次、三次と試験が進むほど、役員や社長は“あるべき姿”で並んでいるんです。当時はその人たちに、自分の言葉が届くとは感じられませんでした」

一方IFAの社員は年齢を重ねても考え方がやわらかく、みんな思ったことを気軽に口にします。

さらに誰よりも型にはまらない生き方を実践しているのが、社長の水倉。社内には誰でもすぐ水倉と話ができる雰囲気があり、高い理念をもった人のそばで働けることが、社員のモチベーションアップにもつながっています。

社長のマインドが、社員にも大きな影響を与えているというIFA。型にはまらないメンバーの集まりである反面、団結力は強く、若い精鋭が活躍するベンチャーの魅力を実感していると神崎は話します。

神崎 「私は大学時代、自分は何に興味があって、将来どのように働いていたいかをつきつめて考えたことがありませんでした。
もしあのころの自分にアドバイスができるなら、就職活動を始める段階になって、将来のことを考えるのでは遅い。就職先は大手かベンチャーかという軸ではなく、自分が何を楽しいと感じ、数年先の未来にどうなっていたいかを基準に決めるべきだと言いたいですね」

「迷ったけれど、最終的には自分が一番楽しいと思える環境を選べた」と話す神崎。これからは伸びゆく会社と自分をあたたかく迎えてくれた仲間のために、まっすぐ成長していこうとしています。