2019年6月、執行役員に就任した髙木洋充。彼は「役職を得たことで、権限の範疇が広がった」と言います。だからこそやりたいことがある。テンダという会社を次のステージに進めるために──。髙木が見据える未来で、テンダはどのような様相をしているのでしょうか。

「やるしかない」とがむしゃらのスタートダッシュをかけた

▲2019年現在の高木

大学卒業後、音楽活動を続けるため、比較的時間の融通がきく職場で働いていた髙木。27歳のとき、「仕事1本に絞ろう」と一念発起して転職した先がテンダでした。

髙木 「 IT自体には興味がなかったのですが、 “ものづくり ”という漠然としたイメージに惹かれて会社のことを調べてみたんです。そしたらテンダは異業種転職でも、 2カ月間みっちり研修を受けさせてくれる。加えて、資格が取れないと正社員に採用されないという条件の厳しさが、当時の自分には必要なものだと思えて入社を決めたんです」

入社当時はエクセルも満足に使えず、同期の中で大幅に遅れをとっていたそう。けれど「やるしかない」と自分を追い込み、睡眠時間を削りながらひたすら勉強の日々を送りました。その結果、研修が終わるころには必要とされる以上の資格を取得できたそうです。

研修後、髙木が配属されたのは社内でプログラムを組む部署。研修期間中に資格を多く取得したことで、“即戦力”としてのスタートとなりました。

とは言え、まだまだ経験は浅いのも事実。そこで髙木は「できるだけ多くの業務を自分に回してほしい」と上長にお願いしました。電話やメール対応などの細かい業務から始まり、あらゆる業務を一手に受け、全力のスタートダッシュを開始したのです。

そして、がむしゃらに走り続けて2年後。髙木は主任に就任。それと同時に、会社としての一大プロジェクトのプロジェクトマネージャー(以下、PM)を任されたのです。

毎週毎週、ただひたすらにコミュニケーションをとり続けた

▲執行役員となった今も、現場とのコミュニケーションを日々大切にしている

髙木が任された案件は、大手不動産会社がプロデュースする位置情報ゲーム。テンダを含む4社が提携して組まれた制作チームを、髙木がPMとしてまとめるという大役になりました。

けれど、当時の髙木にはPMの経験はなく、加えて自社としても複数社が絡むような大規模案件のノウハウが少ないという状態。とにかく手探りで進めていくしかありませんでした。

髙木 「 4社を横断してまとめないといけなかったんですけど、デザイナーなど自分が精通していない分野の人たちの意見を集約することが一番難しかったですね。なるべくその人たちへの理解を深めようと、とにかくコミュニケーションをとるようにしました」

髙木は毎週開催されていた定例会議の後、各社のPMと食事に行ってはとにかく話をしたそうです。たとえば「さっきのアレってどういう意味だったんですか?」「あの部分について、正直どう思います?」など。これを、プロジェクトが終わるまで10カ月間続けました。

最初はお互いがプロフェッショナルであるゆえに微妙な線引きがあり、会社ごとにバラバラだった制作チーム。それが、毎週積み重ねるようにコミュニケーションを続けるうちに、いつしかひとつのプロジェクトをつくり上げていく、会社の垣根を超えた一体感のあるチームになっていったのです。

髙木 「今思うと、ノウハウもナレッジも何もなかったのがよかったのだと思います。
もちろんものすごく大変でしたけど、おかげで知識だけでは身につかない、 PMとして必要な感覚が自分の中で研ぎ澄まされていきました。なんとなく、この人とこの話を先にしておいたほうがいいなとか、この人にもうちょっとアドバイスしておかないと後々大変なことになりそうだなとか。
このときの経験が今、会社のマネジメントに関わるようになってすごく生きていると感じます」

会社の枠を飛び出して、大企業の上層部や自分の分野外の人と理解し合う。その経験を通して、髙木はどこへでも尻込みすることなく立ち向かい、誰とでも関係を築けるスキルを自然と身につけたのです。

大失敗があったからこそ、今は全方位の幸せを考えられる

▲2017年、永年勤続者(10年)として全社会議の場で表彰された高木

この大規模案件は髙木だけでなく当社にとってもターニングポイントになり、以降、当社は同様の案件をどんどん引き受けるようになりました。筆頭はもちろん髙木がまとめる部署。髙木は順調にキャリアと経験を積み重ねると同時に、リーダー、課長と昇進していき、2015年には部長に就任。

そして、2度目のターニングポイントが訪れました。

部長になる以前は、どちらかというと現場の業務をマネジメントしていた髙木ですが、部長になり“人”をマネジメントすることに。けれど、同じマネジメントでも、対象が違えばまったくの別物。最初は、現場との距離感の取り方がうまくつかめなかったのです。

現場はPMが中心になって動くものですが、彼らに任せっきりにしてもいけないし、介入し過ぎてもいけない。そのさじ加減がわからなかった結果、部長になって最初の大仕事となったある動画配信サイトは、トラブルが発生してしまいました。

髙木 「 PMの裁量を大きくし過ぎてしまったことが最大の原因でした。部長としてどのくらい現場に手を出していいのかわからなかったことが原因です。加えて、コミュニケーション不足からメンバーの個性を見極めずに、高すぎる要求をしてしまったんです」

当時は現在も続いている成長ステージの初期段階であり、会社全体が多くの案件を引き受けていた状況。受注の時点で、案件を極力事故なく成功へと導く整備をするような経験値がなかったことも、トラブルが発生した原因と言えるでしょう。

この苦い経験を胸に、現在は受注するタイミングでトラブルが発生しそうな案件かどうかを見極めています。その上で、トラブルが発生しそうであればそうならないように軌道修正をしています。

髙木 「仕事って、お客様を幸せにするのはもちろんですが、それは自社や自社スタッフの幸せの上に成り立つものだと思っています。以前は上に立つ者として、それができていませんでした。今は全方位を見渡すような広い視野を持つように意識しています」

自分の武器、テンダの武器を最大限に利用して、“世界のテンダ”へ

大きな成功もあれば、大きな失敗もある──。数多の経験を積んだ髙木は2019年6月、執行役員に就任しました。そんな髙木の入社当時から変わらないポリシーは、「責任を持った仕事をする」こと。

髙木 「その時々の自分に期待されている責任というのがあると思うのですが、それを最低限完遂することは当たり前だと思っています。そうでないと意見を言う資格がない。意見を言えないと言うことは、自分のやりたいことを実現できないということです」

責任を持った仕事をしてきたからこそ、髙木自身も、そして当社も成長してきたのです。

執行役員になった髙木のこれからの課題は、「自分に何ができるか」。

当社は技術を武器にしている会社ですが、髙木自身は技術というのはあくまでひとつの手段だと考えています。けれど、その技術という手段を使って、ITという市場の成長性が高い海外で“テンダの良さ”が認められれば、当社はまた一歩前に進めるはず。そのためには、当社の技術力を適切にアピールする必要があると考えているのです。

そこで髙木は今、当社の技術ナレッジを体系化した記事を蓄積しています。蓄積した記事は今後英訳し、海外にも発信していくつもりです。

実は、この活動自体は2年ほど前から社内に小さなセクションをつくって進めていたのですが、今回の執行役員就任により権限の範疇が広がったことで、ようやく本格的なアクションに移せるようになったのです。

髙木 「テンダって、自分から発信して何かを実現したいと思ったときに、きちんと裏付けさえあれば背中を押してサポートしてくれる会社なんですよ。どういう立場の意見でもきちんと汲み取ってくれる。すごく風通しがいいし、だったら頑張ろうって思える。だから、自然と会社のことを自分事として考えるようになっているんですよね」

髙木の個人視点ではなく会社視点で物事を考える姿勢こそが、きっと執行役員に選ばれた理由。そして、責任を持った仕事を積み重ねていった結果なのでしょう。

そんな髙木が構想しているのは、テンダが持つ武器と自分が持つスキルやナレッジを最大限に利用し、テンダを“世界のテンダ”にすること。

私たちテンダは、高木のように経験を積み重ね、成長意欲に富んだ人材を育成するとともに挑戦を続けていきたいと考えています。

人と会社の成長が、社会そしてお客様の喜びと、豊かな人生につながるように。