【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 44,722.06 ▼138.25 (11/27)
NASDAQ: 19,060.48 ▼115.10 (11/27)
1.概況
米国市場は、主要3指数が揃って反落となりました。22ドル安で取引を開始したダウ平均は、序盤に大台の4万5000ドル台まで上昇するも、すぐに下落に転じその後は終日軟調な推移となりました。ダウ平均は前日まで連日で史上最高値を更新しており、短期的な過熱感が意識され、主力株を中心に利益確定売りや持ち高調整の売りが先行しました。また、一部のAI関連銘柄が急落したことから投資家心理が悪化し、ハイテク株を中心に売りが優勢となりました。
一方で、先週一週間の米新規失業保険申請件数は市場予想以上に改善を示すなど、堅調な労働市場を背景に底値は堅く、ダウ平均は結局138ドル安の44,722ドルで取引を終えました。S&P500株価指数は、22ポイント安の5,998ポイントで取引を終え、8日ぶりに反落となりました。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は115ポイント安の19,060ポイントで取引を終え、5日ぶりに反落しています。
2.経済指標等
第3四半期の米GDPの改定値は前期比年率で2.8%増となり、速報値から改定なしでした。10月の米耐久財受注の速報値は、前月比で0.2%増となり前月の0.4%減を上回ったものの、市場予想の0.4%増は下回りました。先週一週間の米新規失業保険申請件数は、前週比0.2万件減少し、21.3万件となり、悪化を見込んでいた市場予想に反して改善を示しました。10月の米PCEデフレータは、市場予想通り前年比2.3%上昇し、前月の2.1%上昇から伸びが加速しました。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCEデフレータも市場予想通り前年比2.8%上昇となり、前月の2.7%上昇を上回りました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち不動産やヘルスケア、金融、生活必需品の4業種が上昇しました。いずれも1%未満の上昇となっています。一方で、情報技術や一般消費財・サービス、消費財・サービスなどの7業種が下げ、特に情報技術は1%以上下げています。
4.個別銘柄動向
米国市場では、ダウ平均構成銘柄は30銘柄中12銘柄が上昇となりました。ウォルト・ディズニー[DIS]やメルク[MRK]、トラベラーズ・カンパニーズ[TRV]、ボーイング[BA]、が1%以上上昇しています。一方で、18銘柄が下げ、セールスフォース[CRM]が3%超下落したほか、マイクロソフト[MSFT]やエヌビディア[NVDA]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、キャタピラー[CAT]が1%以上下落しています。
ダウ平均構成銘柄以外では、半導体設計会社のアンバレラ[AMBA]が第3四半期決算で売上高が63%増と市場予想を上回ったほか、EPS(1株当たり利益)も市場予想を上回ったことで5.9%上昇しました。また、アパレルのアーバン・アウトフィッターズ[URBN]は、第3四半期決算で売上高が市場予想を上回って過去最高となったことで、18.3%上昇しました。
一方で、パソコン事業関連のデル・テクノロジーズ[DELL]は、第3四半期の売上高が前年同期比10%増となるも、市場予想を下回ったほか、第4四半期の売上高見通しも市場予想を下回ったことで、12.2%下落しました。同じくパソコン事業のHP[HPQ]も決算で示した今期の利益見通しが市場予想を下回ったことで11.4%下落しました。また、サイバーセキュリティのクラウドストライク[CRWD]は、第3四半期決算で売上高とEPSともに市場予想を上回るも、第4四半期のEPSの見通しが市場予想を下回ったことで、4.6%下落しました。
5.為替・金利等
長期金利は0.04%低い4.26%となりました。ドル円は、円高方向に進展し、151円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は、米国株安と円高進展を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか、日経平均は心理的節目の3万8000円を下回って下げ幅を広げそうです。なお、本日11月28日は米国の感謝祭に伴い、今晩の米国市場は休場となります。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)
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