東京市場まとめ
1.概況
日経平均は95円高の50,677円をつけ続伸して寄付きました。8日の米国市場では、主要な半導体関連銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が最高値を更新したことで、日本市場でも半導体関連銘柄への買いが優勢でスタートとなりました。しかし、次第に売られ、30分足らずで下落に転じると、その後は小幅安での推移となりました。前引けにかけて持ち直した日経平均は106円高の50,688円で午前の取引を終えました。
後場は買いが優勢で始まり、12時39分には211円高の50,793円をつけ本日の高値を更新しました。その後は、FOMC(米連邦公開市場委員会)が9-10日で開催されることなどから様子見ムードが広がり次第に上げ幅を縮小し、中ごろに再び一時下落しましたが、最終的には73円高の50,655円で続伸となりました。
TOPIXは1ポイント未満の上昇とほぼ横ばい、新興市場では東証グロース250指数が4ポイント安の666ポイントで4日ぶりに反落となりました。
2.個別銘柄等
コニカミノルタ(4902)は一時6.6%高の684.3円をつけ年初来高値を更新しました。8日、国内証券が同社の投資判断を3段階で真ん中の「中立」から「強気」に、目標株価を従来の580円から足元の水準を上回る840円へ引き上げ、これを材料視した買いが入りました。
ファナック(6954)は4.4%高の6,164円をつけ年初来高値を更新しました。8日の米株式市場では、同社との協業を発表しているエヌビディア[NVDA]などハイテク株が上昇し、投資家心理が改善するなか、AIがロボットや機械を自律的に制御する「フィジカルAI」関連銘柄の一角として買いが集りました。
医療材料・用具メーカーであるホギメディカル(3593)は一時5.3%高の6,000円をつけ株式分割考慮後の上場来高値を更新しました。8日、医療器具メーカーである同社を買収する最有力候補に米カーライル・グループが浮上したと伝わり、足元の株価水準よりも高い価格でTOB(株式公開買い付け)が実施されるとの思惑から、買いが優勢となりました。
空港施設管理の日本空港ビルデング(9706)は6.4%安の4,229円をつけ大幅反落となりました。8日、外資系証券が同社の投資判断を3段階で真ん中の「中立」から最下位の「売り」に、今後12ヶ月の目標株価は従来の5,600円から足元の水準を下回る3,800円にそれぞれ引き下げ、これを材料視した売りが出ました。
猟銃製造大手のミロク(7983)は12.4%安の1,227円をつけ大幅反落となりました。8日、2025年10月期(前期)の通期業績の下方修正を発表し、最終損益は25億円の赤字(前期は22億円の赤字)と、従来予想の1億8,000万円の黒字から一転、赤字に転落となり、国内でクマによる人身被害が深刻化しているなか、猟銃の受注が増えるとの思惑から買いを集める場面もあったため、低調な業績に失望した売りが出ました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均、TOPIXともに小動きで方向感に欠ける展開となりました。明日も主だった材料に欠け、FOMC後のパウエル議長の発言を待つ株式市場は、上値の重い展開が予想されます。
また、来週には日銀金融政策決定会合が開催されます。市場はFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ、日銀の利上げを足元では織り込んでいますが、より先行きのスタンスなどから日米の金利差が意識され、為替の変動が大きくなる可能性には留意が必要と考えられます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
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