<9519> レノバ 923 -80
レノバ<9519>は5月13日、2026年3月期連結決算を発表した。売上収益が前期比24.7%増の876.22億円、EBITDAが同31.0%増の305.26億円、営業利益が同103.7%増の82.83億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同23.1%増の33.08億円となった。徳島津田バイオマス発電所や御前崎港バイオマス発電所の通年寄与に加え、2025年9月に運転を開始した唐津バイオマス発電所の新規連結が大きく増収増益に貢献した。
再生可能エネルギー発電等事業の売上収益は前期比26.6%増の864.29億円、セグメント利益(EBITDA)は同26.2%増の338.62億円となった。同社が運営するバイオマス発電所が安定的に稼働したことに加え、2025年10月に同社初となる系統用蓄電事業の姫路蓄電所が運転を開始したほか、2026年4月には安来蓄電所も稼働を開始し、初期案件の立ち上がりは極めて順調に進捗している。また、開発・運営事業の売上収益は同48.5%減の55.84億円となったものの、セグメント利益(EBITDA)は受取配当金や匿名組合分配益の増加、海外拠点における徹底した開発費用の削減などが奏功し、同253.5%増の18.96億円の大幅増益を達成した。
直近のトピックスとしては、2026年3月に国内最大規模となる市場販売型蓄電事業「菊川西村蓄電所」の投資意思決定および着工を完了し、約60億円のプロジェクト・ファイナンス組成を実現した。金融機関からは、送配電事業者との高度な協議により系統接続までの期間をオーガナイズする体制、単一のサプライヤーに依存せず想定する運用に最適な蓄電池をリーズナブルな価格で仕入れる高い調達力、そして姫路蓄電所で培った高度な運用知見と、過去5,000億円超の資金調達実績に基づくファイナンス組成力が評価され、大きな競争優位性となっている。この成功をモデルケースとして、今後の連続的な事業開発をさらに加速させていく方針である。
外部環境においては、ホルムズ海峡封鎖による同社事業への直接的な影響は軽微である一方、エネルギー安全保障への意識の高まりや電力スポット価格の急上昇が、再生可能エネルギーやPPA(電力購入契約)の需要に対して強い追い風となっている。同社ではバイオマス発電事業において、FIT制度から環境プレミアムを上乗せした民間企業とのコーポレートPPAへの切り替えを推進している。電力価格が高騰する中で、価格安定化を求める需要家からのニーズは急速に拡大しており、長期的な安定収益の構築に寄与している。小規模・分散型のNon-FIT太陽光発電事業についても、3月末時点で101MWが完工しており、足元の農地転用手続きの厳格化や系統接続の長期化による工期への影響はあるものの、今期は60MWの完工を計画し着実に開発実績を積み上げている。
2027年3月期通期の連結業績予想については、売上収益が前期比9.2%増の957.00億円、EBITDAが同10.7%増の33,800百万円、営業利益が同36.5%増の11,300百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同2.8%増の3,400百万円を見込んでいる。すべてのバイオマス発電所が通年で寄与する計画であり、定期点検による年間停止日数は前年の251日から194日へと減少する見通しである。なお、定期点検が第1四半期(4-6月期)に集中するスケジュールのため、同四半期の業績は一時的に弱含む見込みであるが、通期ベースでは確固たる増収増益路線を維持する計画である。
中期経営計画2030の達成に向けて、とりわけ蓄電事業の進捗は期初想定を大幅に上回って好調に推移している。足元では国内2件の大規模な市場販売型蓄電所の着工を予定しており、開発中事業を合わせた総容量は527MWに達する見込みである。これらを基盤とした開発推進により、2030年度時点の蓄電事業におけるEBITDAは120億〜140億円を見込み、中計目標である65億円の大幅な超過達成を見通している。ストック型収益として毎年積み上がっていく再生可能エネルギー発電等事業の純利益は、2030年度には2025年度対比で2倍超となる130億〜140億円規模への着実な成長を計画している。株主還元については、2026年3月期および2027年3月期予想ともに無配としているが、これは2030年度に向けた極めて高い成長投資機会(追加投資領域への配分)を最優先するためであり、圧倒的なスピードで事業開発を進め、企業価値および株主価値の最大化に邁進していく構えである。
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