不動産投資用に借りている銀行融資、
金利を少しでも下げるためにはどうしたらいいですか?TIM レッド吉田さん vs 元銀行員大家 岡元公夫さん

2013年2月20日公開(2022年8月12日更新)
TIMレッド吉田

アパート完成から満1年、無事に満室経営を続けるレッド吉田さんの次なる目標は、ローンの金利を少しでも下げること! そんなレッドさんの願いを叶えるべく、今回の対談では、元銀行員で大家業の大先輩でもある岡元公夫さんをお招きし、「銀行との金利交渉のポイント」をお訊きしました! 

 

 

 

 

 

岡元公夫さん プロフィール
元銀行マンの不動産投資家。都内に複数のアパートやシェアハウスを所有。家賃年収は約8000万円。東京エステートバンク(株)の代表として、台湾や中国の投資家に日本の不動産を紹介するビジネスも手掛けている。

 

レッド吉田さん(以下、レッド) 岡元さん、今日はよろしくお願いします!
いきなりですが、岡元さんは家賃年収が8000万円もあるんですね! プロフィールを拝見してビックリしましたよ。何年くらい前に大家になられたんですか?

岡元公夫さん(以下、岡元) 私はもともと、某メガバンクで法人向けの融資を担当していたんです。大家になったのは8年前に父が亡くなり、アパートを一つ相続したのがきっかけです。その後、年に1棟ずつのペースで規模を拡大し、大家業が忙しくなってきた5年前に銀行を退職しました。

レッド 最初からたくさんの物件を引き継いだわけじゃないんですね。アパート1棟から、家賃年収8000万円まで増やすなんて、すごいな~! ハードな銀行員時代と大家になった今とでは、生活も随分と変わったでしょうね。

岡元 それが、2010年に中国や台湾の方に東京の不動産を紹介する仕事を始めたり、最近はネコの飼えるシェアハウスをオープンしたりして、結構、忙しくしているんですよ(笑)

レッド アクティブですね~。ところで今日の本題ですが(笑)、僕、アパートを建てるときに、金利の高いS銀行さんでしかお金を借りられなかったんです。今の目標は金利を少しでも下げてもらうことなんですが、そのためにはどうしたらいいでしょうか? 

岡元 正直な話、他の金融機関での借り換えは厳しいと思います。今、借りているS銀行と交渉して、金利を段階的に下げてもらうのが現実的でしょう。

レッド どうして僕は、借り換えできないんですか? 僕を救ってくれる銀行はどこにもないんですか?(涙) 

岡元 銀行が借り換えを引き受けるかどうかを判断するポイントは2つあります。1つは積算評価や収益還元法を参考にした「物件力」。そしてもう1つが借りる人の「属性」です。レッドさんの場合、芸能人という仕事柄、2番の「属性」はどうしても不利になります。

レッド なるほど。やっぱり収入が安定しないから、そこはマイナスなんですね。

金利交渉に応じてもらえる人とそうでない人の違い

岡元 そうです。S銀行も本来は、サラリーマンにしか融資しないスタンスの銀行です。芸能人に限らず、自営業の方は断るのが通常ですから、レッドさんが借りられたのは例外的かもしれませんね。

レッド吉田さんの目下の課題は、借りている銀行融資の金利を下げること

レッド 自宅を買うときも、芸能人はダメっていくつもの銀行に断られたんですよ。「貸しますよ」という銀行があっても、「金利は5%」といわれたりして…。最後にダメ元でメインバンクに聞いてみたら、2%の金利で貸してくれたので、本当にありがたかったです。

岡元 芸能人でいる限り、ずっと厳しいのかというと、そんなことはないんですよ。賃貸業の経営が安定して、芸能界からの収入以外でお金が回るようになれば、そちらの実績を評価してもらえますから。

レッド 僕は1年間ずっと、満室経営を続けてきたんですが、それはプラス評価として見てもらえますか?

岡元 もちろんプラスです。ただ、銀行から見るとそれだけでは金利を下げる理由にはなりません。S銀行は1年後に交渉すると金利が下がるという都市伝説があるようですが、何年たっても金利を下げてもらえない方もいます。

レッド そうなんですか? 金利を下げてもらえる人とそうでない人とでは、何が違うんですか?

岡元 大まかにいえば、その人が他行で借り換えできるかどうかの違いです。金融機関は仕入れ値(預金やマーケットから調達したお金の金利)に利益分をプラスして儲けるのが仕事です。借り換えをされて利益がゼロになるなら、交渉に応じるというスタンスですね。

レッド 銀行も商売ですから、そのあたりはシビアなんですね。でも、この人は借り換えができるかどうかなんて、わかるんですか?

岡元 銀行は、過去にどの銀行がどんな条件で借り換えを引き受けたかの細かいデータを持っています。ですから、債務者の物件力と属性を見れば、よそで借り換えができるかどうかを予測できるんです。例えば、年収が数百万円レベルの人は他の金融機関で断られる可能性が高い。当然、そういう人は交渉も難しいでしょうね。

銀行がダメなら地銀や信金を当たるという方法も

レッド う~ん。そうなのか~。教えてほしいんですが、もし僕がS銀行さんに金利を下げてもらえなかったら、この先もずう~~っと高い金利を払い続けることになるんでしょうか?

岡元 いえいえ、地銀さんか信金さんを当たるという手もあります。レッドさんのアパートは積算評価よりも収益還元法で見た方が評価が高いはず。地銀さんや信金さんの中には一部、収益還元法を取り入れているところもありますよ。

レッド 信金さんとはお付き合いがないんですが、どこを当たればいいんでしょう? 

岡元 レッドさんの自宅や物件があるのは都内の城南地域ですよね。その信金さんとお付き合いのある人に紹介してもらうといいですよ。

レッド わかりました。探してみます。

岡元 ちなみに、あのあたりは路線価などの土地の評価が実勢価格よりも低いので、資産の組み換えや相続対策をする人がアパートを持つにはいいエリアです。実際は高く売買できて、キャッシュも入りやすいのに、相続税は低い方の評価で計算されるので、資産を圧縮できるんです。

レッド 岡元さん、残念ながら僕、まったく相続対策とかじゃないんです…。すぐに使えるキャッシュフローを増やしたくて、アパートを買いました…。

岡元 落ち込まないでください(笑) それ以外にも、城南地域は出口戦略がとりやすいというメリットもあります。買うときも高かったと思いますが、売るときも下がりにくいということです。でも、私は売却することをすすめているわけではありません。レッドさんがS銀行さんで金利交渉に応じてもらえることも、十分にありえると思いますよ。

レッド よかった! まずはS銀行さんに交渉に行って、難しそうなら信金さんを当たってみることにします。次回は実際に銀行に金利交渉に行くときの注意点を教えてください。よろしくお願いします。

⇒第2回に続く

(構成/加藤浩子 撮影/土井一秀)

 

  • RSS最新記事

手数料発生は、借り換え成功時だけ!
安心して借り換え先を探せる

モゲチェック

不動産投資を始める前に
借入可能額が分かる!

INVASE
TOP