『週刊ダイヤモンド』2018年9月8日号の第一特集は「まだまだあった不動産投資の罠」です。社会を揺るがせた「かぼちゃの馬車」問題など、数々の不動産投資の罠の全貌を明らかにしています。ただ、相続対策として、アパート建設や投資用不動産が有効に働くケースがあることも事実。そこで、今回、相続対策のためにアパート経営に踏み切る前に、きちんと押さえておきたい不動産節税術策を解説します。過大なリスクを取らずとも、不動産を活用した十分効果の大きな節税策はあるのです。(本記事は『週刊ダイヤモンド』2017年6月24日号「相続・副業の欲望につけこむ 不動産投資の甘い罠」より一部抜粋です)

 

アパート建設や投資用不動産は相続対策としてさかんに勧誘が行われています。アパート建設や投資用不動産は相続対策としてさかんに勧誘が行われています。

 相続対策の王道といえば、今も昔も不動産を抜きにしては語れない。

 なぜならば、現金や預貯金は額面そのまま相続財産として評価されてしまうが、ひとたび土地にかたちを変えれば、実勢価格の80%で相続財産として評価されるからだ(次ページ図参照)。

 さらに、投資用不動産を購入して賃貸経営をすれば、評価額は実に3分の1程度にまで下がる。

 そのため、相続税の節税策として、アパート建設や投資用不動産への勧誘が、さかんに行われているというわけだ。

 ならば、すぐにアパートを建てたり、投資用不動産を買わねばと思うのは、早計に過ぎる。その前に確認すべきことがある。