「主力のスマートフォン(スマホ)事業では、本当、いい話がないんですよね」(ジャパンディスプレイ〈JDI〉関係者)。液晶パネル大手のジャパンディスプレイが揺れている。
原因は何と言っても米アップルだ。「iPhone」の販売が最新機種を中心に振るわず、2019年の年明け早々に18年10~12月期の売上高の下方修正を発表。アップルはJDIにとって17年度の売上高の約半分を占める主要顧客なだけに、頭を抱えるばかりである。
さらに、同じく液晶パネルの納入先であるスマホメーカー、中国・華為技術(ファーウェイ)が、米中貿易戦争を背景に米国にロックオンされた。日本もすでに、米国によって政府調達からのファーウェイ製品排除を要請されている状態だ。
今後の米中対立の進行具合によっては、政府調達以外でも米国からファーウェイとの取引停止圧力がかかる恐れが拭えない。そこまで事態が深刻化せずとも、言わずと知れた米国の代表企業であるアップルに対抗するため、中国側がiPhone不買運動を起こせば、それはそれで痛手を食う。
もっとも、JDIはスマホ依存からの脱却に本腰を入れているところではある。スマホ業界はボラティリティが高く、収益がいつまでたっても安定しないからだ。