Photo by Ryo Horiuchi
光熱費争奪戦に苦しむ電力業界の王者、東京電力ホールディングスに救世主が現れた。通信大手のKDDIが東電の小売り事業会社である東京電力エナジーパートナー(EP)と業務提携したのだ。
東電は電力小売り全面自由化以降、苦戦している。2019年3月期第3四半期決算では、販売電力量は前年同期比で94.2%と落ち込んだ。主に一般家庭が対象の「電灯」分野では前年同期比86%で、他社に顧客を奪われている。
KDDIはこの提携により、東電EPの代理店として、「auでんき」「東電ガスとくとくガスプラン for au」を販売。auショップを展開し、顧客と多くの接点を持つKDDIとのタッグで東電は巻き返しを図る。
ちなみに、この提携は両社で旨みを分け合う内容になっている。
auでんきは、電力小売り自由化前に法律による料金査定を受けた、いわゆる規制料金のプラン。規制料金より安い自由料金での契約ではないため、東電は従来通りに安売りせず利幅が取れる。