100円ショップが300円ショップに取って代わられる日は来るのか――。このところ頻繁に目にするようになった300円ショップ。この影響もあってか、100円ショップ大手の業績は低迷している。「デフレモデル」の代表格だった100円ショップだが、時代は100円から300円に移行し始めているのかもしれない。(流通ジャーナリスト 森山真二)
300円ショップが
急成長している
都内にあるショッピングセンター(SC)。その一角だけ黄色い声でにぎわっている店舗がある。300円ショップの「ミカヅキモモコ」だ。
コンビニを一回り大きくしたような店内は、若い女性であふれんばかり。店内の通路は身をかわさないとすれ違えないほどだ。ウワサには聞いていたが確かに人気だ。
商品を見ると、100円ショップのような品数はない。しかし、商品をよく見ると、いろいろなキャラクターがデザインされていたり、シンプルながら100円ショップとは違ったおしゃれなデザインの生活雑貨があったりする。「3COINS(スリーコインズ)」という店舗ではドラえもんやポケモンなどと子どもに人気のキャラクターをあしらった商品もあるから、300円ながらコストパフォーマンスは悪くない。
「おしゃれ」、「かわいい」という付加価値をつけて100円ショップの商品に飽き足らなくなった顧客層を吸収している形だ。
300円ショップ急拡大の代表格は複数のアパレルブランドを持つパルグループホールディングスが展開している「スリーコインズ」、また「CouCou(クゥクゥ)」、「ミカヅキモモコ」などがあるが、その堅調な勢力拡大は続いている。