47都道府県2000社ランキング

大手5社が格の違いを見せつけた
地方は中小も上位に入って大混戦

 建設業界は1990年代に建設投資が80兆円を超えたが、バブル崩壊で建設不況となり、2008年のリーマンショックでどん底に落ちた。10年には投資額が半減した。

 その後、11年の東日本大震災で復興特需が発生し、12年に与党へ復権した自由民主党が「国土強靭化」の大号令で公共事業を増やした。東京五輪・パラリンピックの20年開催が決まり、都心の再開発も加速して、業界は右肩上がりに回復し絶頂期を迎えた。

 現在、優れた業績や財務体質を保ち、環境が悪化した10年前のどん底から這い上がった建設会社はどこなのか。これを「生き残る力」とし、全国2090社のランキングを作成した。

 建設業許可業者50万社の情報を基にした、建設業界のデータベースサービスを展開する日本マルチメディア・イクイップメントからデータ提供を受け、17年度の会社規模や収益力、安全性に、這い上がった力として営業キャッシュフロー対売上高比率の08年度からの増減を収益性の改善力として加えた。

 総合トップ5は、売上高1兆円を超えて「スーパーゼネコン」と呼ばれる大手ゼネコン5社が顔をそろえた。収益性の高い案件を選別できた大手勢は、準大手以下を寄せ付けなかった。

 基本的には規模が大きいほど収益力が高い傾向にある。ただ、都道府県別では収益性を大幅に改善した中小が、無理をせずに安定を図った地場大手よりも上位に入るケースが目立った。

 大手は別格の生存力を持ち、地方は混戦しているさまが見て取れる。