たった一皿の料理がブームを巻き起こし、企業の先行きすら左右する。外食の経営者たちが注目する料理は何か。特集「外食の王様」の1皿目は、「いきなり!ステーキ」の一瀬邦夫社長やワタミの渡邉美樹会長など、外食トップ31人のアンケート回答から、2020年の注目の食のトレンドを予測する。
歯に衣着せぬ発言とトップダウンの決断
外食のトップは、まさに「王様」
「お客さまのご来店が減少しております。このままでは店を閉めることになります」などと記した社長直筆のメッセージを店頭に掲げる。料理を食べると当たるくじの景品に、「社長と握手、記念撮影」がある。
2019年8月以降、4カ月連続で既存店売上高の前年同月比が70%割れと絶不調に陥った「いきなり!ステーキ」が、必死の集客策に走っている。その前面に登場するのは、運営するペッパーフードサービスの一瀬邦夫社長だ。
外食産業の経営者は、個性派ぞろいだ。一代で巨大チェーンを築き上げた創業社長も数多い。トップの言動は頻繁にニュースで取り上げられ、“パワハラ発言”が波紋を広げることもある。
歯に衣着せぬ発言とトップダウンの決断で、会社の原動力にもブレーキにもなり得る外食のトップは、まさに「王様」。企業の特徴を映し出す鏡なのだ。
消費者にとっての外食の主役は、店の料理だろう。しかし、外食産業の先行きを占う主役は、経営者たちだ。そこで今回、ダイヤモンド編集部は外食の経営者に焦点を絞り、アンケートやインタビューを実施。「外食王」たちの“本音”を引き出すことを目指した。