旧東京都民銀行、旧八千代銀行、旧新銀行東京の3行が合併して2018年に誕生したきらぼし銀行。首都・東京という巨大なマーケットに立地し、大手銀行や信用金庫、果ては越境してくる地域銀行とも競争しなければならない。特集『選別される銀行』(全15回)の#4では、渡邊壽信頭取に激戦区での生き残り策を聞いた。(ダイヤモンド編集部副編集長 布施太郎)
なぜ合併を選んだのか
3行がそのままでは生き残れない
──きらぼし銀行は東京の地域銀行旧3行が統合して発足しましたが、3行が持ち株会社の傘下にぶら下がる方法もあったと思います。なぜ合併という選択肢を選んだのですか。(#02『地銀「存在価値」ランキング』の順位はこちら)
旧3行ともそのままで存続していても生き残れるとは考えなかった。その上での合併だ。覚悟を持ってビジネスモデルを変えなければならないし、経営も効率化しなければならない。合併から2年間が経過したが、コストについても、トップラインについても、まだまだ東京という基盤がありながら十分に機能を使い切れていない。
東京という立地のためマーケットがいいということはあるが、他業種からの参入もある中での競争は激しい。存在感を示すためには、まだまだやらなければならないことがある。
──合併の効果は出ているのでしょうか。