選別される銀行#11Photo by Masaki Nakamura

「地域共創」を旗印に、自治体や企業とタッグを組み、地元に人材や資本を積極的に投入している山口フィナンシャルグループ。特集『選別される銀行』(全15回)の#11では、人口減少と高齢化が進む地方での、銀行のあるべき姿について吉村猛社長に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 中村正毅)

「地域共創」の背景にあった関係希薄化への危機感

――新たな中期経営計画で、「地域共創モデル」の確立を掲げています。なぜ今地域活性化を柱に据えたのか、その狙いやきっかけについて教えてください。

 私が東京本部にいたときに、政府が「地方創生」を掲げて、自治体が総合戦略を策定する中で、われわれはそこを支援できるかたちにならなかった。

 一体なぜなのかと。地方創生、地域活性化という面で、われわれ銀行が必要とされていない状態になっているのではないかと感じた。

 地方銀行として、地方との関係が希薄になるというのは致命的なことだ。そこで「地方創生を本気でやらないといけないのではないか」と、東京にいながら当時の頭取に意見具申した。