新型コロナで銀行には
融資要請が殺到
新型コロナウイルスの感染拡大で、資金繰りに窮する企業が続出し、銀行には融資要請が殺到している。千葉銀行は、4月7日の中期経営計画説明会で、新型コロナウイルスの感染拡大を主因とした企業からの融資要請が1000件強あり、融資要請金額が約2000億円に達していることを明らかにした。
千葉銀行の直近の総貸出残高は10兆円強のため、融資要請の規模は貸出残高全体の2%に相当することになる。千葉銀行は今期からの3ヵ年の中期経営計画にて、法人向け貸出を約9000億円(年間3000億円)増やすとしていた。同銀行は、今回の融資要請に全て応じれば、今期が始まったばかりなのに年間目標の3分の2を達成できることになる。
銀行に融資を要請しているのは、銀行借入の依存度が高い中小企業だけではない。本来なら直接金融市場で資金調達可能な大企業も、手元資金確保のために銀行に殺到している。たとえばトヨタ自動車は、メガバンクに1兆円の融資枠の設定を要請したとされる。
融資や融資枠増額を要請したとされる大企業は、トヨタ自動車に限った話ではなく、日産、ソニー、リクルート、ANA、JALなど多数に及ぶ。国内銀行の貸出残高の伸びは最近鈍化気味だったが、今後はリーマン・ショック後の08年末から09年と同じように、大きく増加することが見込まれる(図1参照)。