小売り絶対絶命 百貨店・コンビニ・外食#5Photo by turk_stock_photographer/gettyimages,Rumi Souma

経営陣の刷新を巡り、大株主と委任状争奪戦を繰り広げる三陽商会。会社側と株主側の双方が、次期経営陣の候補として挙げるのが元ゴールドウイン副社長の大江伸治副社長だ。特集『小売り絶体絶命 百貨店・コンビニ・アパレル・外食』(全7回)の#5では、委任状争奪戦の行方と、火中の栗を拾うことになる大江氏の本音に迫る。(ダイヤモンド編集部 相馬留美)

対立する三陽商会と大株主
泥沼化する委任状争奪戦

「当社の主張が認められることを信じて引き続き株主への接触を試みています」――。

 三陽商会の大株主であるRMBキャピタルの細水政和パートナーはそう強気な姿勢を崩さない。

 今年4月14日に発表された三陽の「再生プラン」と取締役候補を巡り、会社と大株主・RMBが委任状争奪戦を繰り広げている。

 5月7日には、株主にアプローチしたいと考えるRMBが、三陽から株主名簿の開示を拒絶されたとして東京地方裁判所に仮処分を申し立てた。これに対して会社側は「戸惑っている」とコメントするなど、落としどころの見つからない泥沼の戦いになりつつある。

 委任状争奪戦の争点と両者の主張をまとめると次のようになる。