没落貴族#4Photo:PIXTA

ブランドの撤退や人員削減が次々と発表されるアパレル業界。コロナ禍前後で企業はどう変わったのか。特集『没落貴族 アパレル・百貨店』(全9回)の#4では、主要アパレル32社に緊急アンケートを行い、人員・組織体制の変化やビジネスの立て直し方、業界再編の行方などを探った。(ダイヤモンド編集部 相馬留美)

新型コロナによる休業で
特別損失を計上するアパレル続々

 たった3カ月で純損失が40億円超――。

 三陽商会が6月30日に発表した2021年2月期の第1四半期決算。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う特別損失など、悲惨な現状があらわになった。当初は臨時休業などによる特別損失の額を約12.7億円としていたが、10日後に原価処理の誤りを理由として14.4億円に訂正するなど、現場の混乱ぶりがうかがえる。

 特別損失の中身は、コロナの影響で店舗が臨時休業した間の販売スタッフの人件費や不動産賃借料、減価償却による費用だ。

 第1四半期は緊急事態宣言などが出された3~5月という厳しい時期だった。売上総利益が24.8億円しかなく、営業損失は30億円という状況だ。店を開けられなかったことが企業に与えた打撃はすさまじい。

 コロナに伴って特別損失を計上したアパレル企業は、三陽商会に限らない。

 コロナはアパレル業界にどれだけのインパクトをもたらしたのか。コロナによるダメージが大きかった企業はどこか。ダイヤモンド編集部は、コロナによってアパレル各社の利益がどれだけ圧迫されたのかを調べ、深刻度の高い企業を検証した。