コロナ禍で進んだテレワークの導入。だが、中にはいまひとつ成果が上がらず、出社態勢への揺り戻しが起きている企業もある。テレワークの効果を出すために必要なものは何か。特集『賢人100人に聞く!日本の未来』(全55回)の#41では、いち早くテレワーク導入に取り組んできたサイボウズの青野慶久社長に、テレワークのあるべき姿を聞いた。(ダイヤモンド編集部 山本 輝)
テレワークを導入しない企業は
若者から選ばれなくなる
――新型コロナウイルスの感染拡大でテレワークが浸透する一方、出社態勢への揺り戻しも起きています。テレワークは今後どれくらい定着しそうでしょうか。
やるところはやる、やらないところはやらない。二極化する感じでしょうね。
テレワークを導入してみたけれど、いまひとつ生産性が上がっていない、むしろ下がったと感じている企業もあるでしょうし、単純に集まるのが好きという会社もあります。テレワークを推進するかどうかは、経営者の思想に左右されるところが大きいので、IT企業の社長でもテレワークに反対だっていう人がいるんですよ。みんなでオフィスに集まってワイワイ昭和的にやるのが好きなんですって言われると、それはもう「あ、好きなんですね」って言うしかない。いいとか悪いではないんです。
――テレワークの導入は社会的にも要求されているところですが、対応できない企業はどうなりますか。
もちろん、テレワークをしない会社も、それはそれであり続けると思いますが、そういった会社は減っていきますよね。テレワークに積極的でない企業は、特に若い人たちからは選ばれにくくなるので、企業側は採用が思うようにできなかったり、採用できても結婚や子育て、介護で会社を離れることになって、社員が定着しなくなったりします。それを乗り越えていくパワフルな企業もあるとは思いますが、全体で見ると縮小するでしょう。