かねて、鉄道業界では人口減少で鉄道利用が先細りすることは予想してきた。しかし、コロナが変化のスピードを一変させ、JRも民鉄も今期は大赤字を抱える見通しだ。特集『総予測2021』(全79回)の#27では、JRと民鉄の収入源を比較する。(ダイヤモンド編集部 松野友美)
想定していた先細りが
10年早くやって来た
「コロナで10年早く変化が来てしまった」
鉄道関係者が発したこの言葉に、業界の切迫感が凝縮されている。コロナ禍がなくても人口減少によって鉄道利用が先細りすることは織り込み済みで、鉄道各社は事業の構造改革を進めていたところではあった。だが、その変化の大波は一気に押し寄せた。
そのため、大手鉄道4社は揃って営業赤字に転落した。目下のところ、「黒字回復」という最低ラインの実現が、各社の共通にして最大の目標となっている。
ただし、同じ赤字転落の状況といえども、その再建策の中身を見るとJRと私鉄では明確な違いがある。その違いとは何か。