米動画配信サービス大手ネットフリックスは今年、韓国の映画・テレビシリーズ作品に5億ドル(約530億円)を投じる。同社がアジア屈指の文化大国である韓国に頼る背景には、視聴者獲得を巡る競争が激しさを増すとともに、その舞台が米国のコンテンツ以外にも広がっていることがある。
近年行った外国への投資額としては最大級となる。韓国のエンターテインメント業界は、英語作品以外で初めて米アカデミー賞作品賞を受賞した「パラサイト 半地下の家族」をきっかけに高い評価を得ており、ネットフリックスは今回の投資で、韓国コンテンツへの関与をさらに深める方針だ。
ネットフリックスは2015年から20年までの間に、独自制作・ライセンス作品の双方を合わせ、韓国コンテンツに約7億ドルを投じてきた。同社はこれまで約80のオリジナル映画・テレビシリーズを制作している。
これには、韓国のエンタメ大手CJ ENMと制作子会社スタジオ・ドラゴンとの3年にわたる提携が含まれる。提携によって生まれたシリーズ作品「Sweet Home 俺と世界の絶望」は、昨年12月の配信開始以来、2200万世帯以上の会員が視聴し、韓国作品としては記録的なヒットになったとしている。
ネットフリックスのテッド・サランドス共同最高経営責任者(CEO)は「われわれの韓国へのコミットメントは強固だ。投資を継続し、ジャンルや形式を問わず韓国の制作関係者と提携していく」と述べた。