ETF買い入れの修正を迫られる日銀
中央銀行の株購入は「禁じ手」
ここ数カ月、新型コロナウイルスのワクチン普及を織り込んだ景気回復期待や拡張的な財政金融政策などを背景に、株価は世界的に上昇傾向にある。
日本の株価も例外ではなく、日経平均株価は先月、30年半ぶりに3万円台の大台に達した。
そうした中でも日本銀行は株式の上場投資信託(ETF)を、原則年6兆円ペース、上限12兆円ペースで買い入れる方針を継続している。時価ベースで見れば、日銀はすでに年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を抜き、今や日本株の最大の保有者になったと試算されている。
そもそもこの二者を比べること自体がおかしな話で、資産運用を行うGPIFが株を買うのは当たり前だが、中央銀行が株を買うのは「禁じ手」である。主要中銀で日銀以外に株を買っているところはない。
3月18~19日の金融政策決定会合では政策の運営方法を巡り「点検」が行われるが、そこではETF買い入れの見直しが最大のテーマになる。だが議論されるべき最も本質的な問題は完全にスルーされている。