ロイヤルホストは商社の双日、いきなり!ステーキは投資ファンド…。不振に陥った外食企業に対して、「今がチャンス」とばかりに新たなプレーヤーが資金を出し始めた。特集『外食大再編』(全8回)の#1では、アフターコロナを見据え動きだした、外食業界の再編劇の行方を追った。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)
ファンド、総合商社が次々参入
外食業界不振で始まった「大再編」
「今は、投資に最適な時期だ」――。ある国内投資ファンドの首脳はそう言って笑みを浮かべた。
新型コロナウイルスの感染拡大で大打撃を受けている外食業界。緊急事態宣言や時短営業の要請などが追い打ちをかけ、業績不振の企業が続出している。
コロナ禍突入直後は柔軟な対応をしていた金融機関も、2021年に入ってからは融資の姿勢が厳しくなった。ある中堅外食企業の経営者は、「追加融資が受けられない企業が周りで相次いでいる」と漏らす。
債務超過に転落する企業も出始めた。債務超過に陥れば上場廃止の危機に瀕することに加え、「取引先からの目が途端に厳しくなる」(上場外食企業役員)。これを避けようと、資本投入をしてくれる相手探しが続く。
一方で、こうした外食業界のピンチをビジネスチャンスと捉え、再編をもくろむ“黒幕”たちが活気づいている。ファンドや総合商社など、苦境の外食企業を虎視眈々と狙うプレーヤーが思い描く再編シナリオはどうなっているのか。