1億総リストラ#8Photo by Tomomi Matsuno

近畿日本ツーリストが1月末に締め切った早期退職募集には、グループ従業員数の約2割に当たる1376人が応募。残留組が固唾をのんでいた春の異動内示は、3月1日に出る予定だったのが遅れた。その間に、近鉄グループ本体までもが早期退職を募り始めた。特集『1億総リストラ』(全14回)の#8では、近鉄グループで広がるリストラを追った。(ダイヤモンド編集部 松野友美)

近ツリに続いて鉄道も
近鉄グループでリストラドミノ

 旅行大手の近畿日本ツーリスト(KNT)グループでは通常3月1日に、4月1日付の異動の内示が出る。今年はそれが約1週間遅れた。

 KNTグループは地域ごとに会社が分かれており、KNT-CTホールディングス(HD)が持ち株会社として各社を束ねる。そのKNT-CTHDが店舗閉鎖と早期退職募集を進めていることが影響した。

 大規模な閉店と人員削減が同時進行する中での各営業所の人員配置は、パズルにピースをはめ込むようなもの。残留組の異動を決めるのに時間を要したのだ。

 さらに、である。KNT-CTHDや近畿日本鉄道(近鉄)の親会社であり、近鉄グループ全体の持ち株会社である近鉄グループHDも2月下旬、早期退職の募集を発表した。まず旅行、次に鉄道と、近鉄グループでリストラがドミノ倒しのように広がっている。