オリンパス最も成功した例は、オリンパス―バリューアクト。株価は2018年安値から今年高値まで3.2倍になった Photo:VCG/gettyimages

負のイメージが強かったアクティビスト
今では巨大企業の株価上昇に大きく寄与

 かつて、アクティビストファンド(以下、アクティビスト)は、「ハゲタカ」などと呼ばれ、負のイメージが強かった。しかし、今では市民権を得て、むしろ世界の巨大企業の株価上昇に大いに寄与している。そこで以下、世界のアクティビストの歴史を振り返りながら、日本企業の経営改革に対する影響を分析していく。

 まず、振り返れば1980年代、米国でアクティビズムや敵対的買収が活発化した。敵対的買収は経営権取得を目的とする一方、アクティビストは、経営に問題を抱える企業の株式を部分的に取得し、経営改革を要求する。株価が大きく上昇すれば、売り抜けることが多い。

 ファンドによる大型敵対的買収が成功したのが、1989年のKKRによるRJRナビスコのレバレッジドバイアウトである。これは、対象企業の資産を担保に資金を借り入れる手法であり、小額の自己資金で大型企業を買収できる。買収完了後、RJRナビスコは分解、売却された。その強引な手法から、KKRは「野蛮人がやってきた」と言われた。