中国の新たなデータ統制、企業「ノー」と言えるかPhoto:China News Service/gettyimages

 中国の習近平国家主席は2012年末に共産党の最高指導者に就任した直後、新たな仕事の一環として最初の企業訪問を行った。訪問先はネット大手のテンセントホールディングスだった。その場で習氏は、国内統治にとってチャンスであり、課題にもなる話題を取り上げた。中国のハイテク企業によって集められる膨大な量の個人情報についてだ。

 習氏は、テンセントが何百万人もの利用者の情報を収集し、そのデータを事業革新のために活用している手法について、同社創業者の馬化騰(ポニー・マー)氏を称賛した。習氏はまた、こうしたデータが中国政府にとっても有用であることを示唆した。

 当時の国営メディアの報道によると、習氏は馬氏に対し「あなたは最も多くの必要データを手にしているため、最も客観的で正確な分析を行うことができる。政府にとってそれが示唆する内容は、極めて大きな価値がある」と語ったという。