家計の金融資産最高更新
進まぬ「貯蓄から投資」
老後の資産が不足するという金融審議会の報告書が議論になった「老後資金の2000万円問題」から2年がたつ。
日本銀行の統計では、2020年末の日本の家計の金融資産は1948兆円と史上最高を更新し、21年には2000兆円突破が確実視されている。
一方で家計金融資産は54.2%が現預金であり、欧米と比べて現預金水準が異例に高く、長らく課題としていわれてきた「貯蓄から投資へ」は一向に進んでいない。
筆者も金融審議会に委員として参加したが、そこでの問題意識もどのようにして「貯蓄から投資」を実現するかを世代別に考えることにあった。なぜ日本では株式などの資産運用をするカルチャーが形成されなかったのか。