サラリーマンは不動産投資ローンを幾らまで借りられるのか。金融機関は勤務する会社の“看板”や職種、年収などを値踏みして、貸し出す金額や金利に露骨な差をつけてくる。優遇される者もいれば、お断りされる者もいる。特集『資産1億円 本気で目指すFIRE』(全17回)の#14では、会社員の年収別の借入可能額と融資の実態を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)
築古木造アパート2億円投資
融資に手を挙げた地銀のそろばん
会社員A氏(仮名)は不動産投資で築古木造アパートを買うことにした。一つの土地に築古木造アパートが3棟立っているもので、売買価格は約2億円に上る。
築古木造の一棟アパートは不動産投資においてハイリスク・ハイリターンに位置付けられ、融資対象から外している金融機関もある。融資を引き受ける金融機関においても、15~30%の自己資金を求められたりする。
A氏の場合、一気に3棟で約2億円の投資。木造の法定耐用年数を過ぎた築古である。にもかかわらず、北関東のある地方銀行が「ぜひ融資したい」と手を挙げた。
この地銀は通常、耐用年数オーバーの築古物件には全く融資していないにもかかわらずだ。銀行の担当者はA氏の会社員としての属性に対し、そろばんをはじいたのである。