株投資 入門&実践#14Photo:PIXTA

銘柄選びにはさまざまな指標で分析することが役に立つ。単一の指標ではなく他の指標も掛け合わせるとより有用な分析ができる。2段階スクリーニング方式で選別した「買っていい株」はどれか。特集『株投資 入門&実践』(全18回)の#14では、高ROE×財務レバレッジで分かるまっとうな優良会社の「最新40社ランキング」をお届けする。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)

利益を伸ばさなくても
ROEを高める方法がある

 ROE(自己資本利益率)の高さは、企業が株主重視の経営をしているかどうかの指標とされて久しい。

 ROEは、自己資本の成長率だから、ROEが高ければ、それだけ株主の財産が多く増えることになる。だから、投資家にとっては銘柄選びの際に、重要視すべき指標であることは言うまでもない。

 ただ、ROEの高さだけに目を奪われていると、“落とし穴”にはまりかねない。その落とし穴とは何か。

 純利益を自己資本で割って求められるROE。だから、ROEを高くするには、分子である純利益を大きくするか、分母である自己資本を小さくすればよい。

 利益が増えて高くなるのは、いいことだ。気を付けなければいけないのは、分母である自己資本が小さくて高くなるケースだ。では、自己資本の小ささはどう判断すればいいのか。

 実は、ROEは、三つの指標に分解して分析されることが多い。売上高純利益率(純利益÷売上高)×総資産回転率(売上高÷総資産)×財務レバレッジ(総資産÷自己資本)というふうに分解できるのだ。それぞれの三つの指標を大きくすることでROEを高めることができる。

 最後の財務レバレッジの式を見てほしい。総資産の自己資本に対する比率が大きければROEは上昇することを示している。裏を返せばこの比率が高いということは、総資産に対する負債の比率が高いということ。

 負債の比率が高い企業は、多額の有利子負債を抱えていることも少なくない。そうした企業は、業績が悪化した場合に資金繰りに行き詰まる可能性が高くなる。だから、ROEが高くても、財務レバレッジが高い企業には要注意なのである。

 そこで、今回、単なる高ROEランキングを掲載するのではなく財務レバレッジが一定水準より高い企業を取り除く作業を追加したランキングを作成することにした(条件の詳細は次ページのランキングの見方参照)。

 まず、単純にROEの高い順に並べたものを次ページからみていう。