コロナ禍からの企業業績の回復は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に引き裂かれていくという二極化の議論が強まっている。そこで、上場企業が発表した直近四半期の決算における売上高を前年同期と比べ、各業界の主要企業が置かれた状況を分析した。今回はエムスリー、Zホールディングスなどの「ITサービス」業界6社について解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
ITサービス業界6社
増収率は全て2桁
企業の決算データを基に「直近四半期の業績」に焦点を当て、前年同期比で増収率を算出した。今回の対象は以下のITサービス業界6社。対象期間は21年4~6月の直近四半期としている。
各社の増収率は以下の通りだった。
・エムスリー
増収率:30.8%(四半期の売上収益464億円)
・Zホールディングス
増収率36.3%(四半期の売上収益3734億円)
・楽天グループ
増収率:15.8%(四半期の売上収益4022億円)
・MonotaRO
増収率:19.6%(四半期の売上収益459億円)
・ZOZO
増収率:15.4%(四半期の売上高389億円)
・メルカリ
増収率:27.4%(四半期の売上高292億円)
ITサービス業界6社の四半期増収率(前年同期比)は、6社全てが2桁のプラスとなった。中でもZホールディングス、メルカリは高い増収率を記録している。
コロナ禍で打撃を受ける企業が多い中、ITサービス業界は企業の業務や人々の消費行動におけるデジタル化の加速を追い風に好調を維持している業界の代表格だ。
コロナ禍の企業業績は、勝ち組と負け組の格差が拡大して「K字型」に分かれるといわれているが、ITサービス業界各社における増収率の推移を時系列で見てみると、その「勝ちっぷり」がよく分かる。
各社の増収率はどのように変化しているのか。次ページ以降で、詳しく見ていこう。