「分配重視」の政策は
今やグローバルスタンダード?
岸田文雄新政権が掲げる「新しい日本型資本主義」は、全体像や具体的な政策が現時点では十分には見えないが、岸田氏が自民党総裁選から一貫して強調してきたことは、「成長と分配の好循環」の中での「分配」の重視だ。
所得や資産の格差が拡大する中で「分配」を重視すべきという思想は、米欧では世界金融危機や移民問題の深刻化によって強まった。
この間、日本は「成長」の促進にウエートを置いた政策思想が長く標榜されてきた。それだけに岸田政権の政策発想の転換によって、主要国の政策がグローバルに収斂する流れになってきていることは興味深い。
だが「分配重視」の経済政策が機能するにはいくつかの条件があることに注意が必要だ。