岸田首相が抱える「2つの宿命」
「選挙の顔」になれるか
10月4日、岸田文雄新政権誕生し、早々の総選挙になった。
昨年、筆者は菅義偉前政権が抱えた宿命として、2つのことを指摘してきた。
第一は、菅政権は「長期政権の後は短期政権」という「わな」に陥る不安があること。第二は、小選挙区制になって以降、選挙の「顔」を変えることで政権維持を図るバイアスが生じやすいことだ。
このことは岸田新政権にも当てはまる。
新政権が安定政権となるかどうかは、今回の総選挙、さらに2022年7月に予定される参院選で、岸田首相が、選挙の「顔」として機能するかどうかにかかっている。
ただし、自民党の「顔」は菅氏から岸田氏に変わっても、金融緩和と財政政策がサポートするアベノミクス以来の“高圧経済政策”は継続されるだろう。
2009年の総選挙で敗北し下野した「悪夢」を繰り返したくないとの共通認識が自民党で共有されているからだ。