「日東駒専」と「MARCH」の最新の難易度は?そして、親世代の難易度からどう変わったのか?特集『MARCH・関関同立に下克上なるか!?日東駒専&産近甲龍』(全19回)の#6では、団塊ジュニアの18歳人口がピークを迎え、大学受験戦争が激しさを増した1992年度から約10年ごとの9大学全学部の偏差値を一挙に公開する。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)
日東駒専とMARCHの
偏差値差は10ポイント
およそ30年前、現受験生の親世代が大学受験を経験した「私大バブル」と呼ばれた時代から、「日東駒専」の偏差値はどう変化しているのか?入試方式の多様化や大学進学率の上昇、模擬試験の母集団の規模の差などから単純比較はできないものの、大学間の横比較や推移から一定の分析は可能だ。「MARCH」の偏差値と併せて見てみよう。
最新の2021年度の文系偏差値(ベネッセコーポレーション〈B判定〉)は、日東駒専が60~65、一方のMARCHは70~75の範囲にほぼ収まっている。両グループ間の偏差値には同一学部で10ポイントほどの開きがあり、かなり分厚い壁が存在するのが実情だ。ただし、長期的な偏差値の推移を見ると別の一面も見えてくる。
MARCHの偏差値は過去30年間、総じて右肩上がりを続けてきたが、日東駒専の方は2000年代に5ポイントほど下げ、再び上昇に転じている。その理由として、「リーマンショック以前の受験生は難関大志向が強く、第1志望として中堅私大を目指す学生が相対的に少なかったことが考えられる」と、大学通信の安田賢治・常務取締役はみる。
注目すべきなのは、下落後の上げ幅だ。例えば、02年度と21年度の偏差値の差(比較可能な全学部の偏差値の単純平均)は、日東駒専の場合、日本大学(+6.2)、東洋大学(+8.9)、駒澤大学(+10.8)、専修大学(+8.2)と、日大こそ伸び悩んでいるものの、他の3大学は+8ポイント以上の躍進を見せた。
これに対し、MARCHの差の範囲は+5.7(立教大学)~+9.6(明治大学)。MARCHの中で人気が急上昇した明治大を除けば、総じて+6~+7ポイント台にとどまる。もちろん元の偏差値が高いほど上昇余地が少ないこともあるが、20年前と比べると日東駒専の方がより難化しているといえそうだ。
次ページから、日東駒専とMARCHのまずほかでは読めない1992年度から最新21年度までの全学部の偏差値をおよそ10年ごとに掲載した。個々の大学だけでなく、学部単位の優勝劣敗も見て取れる。受験生には志望校選び、あるいはOB・OGには母校がどれだけ躍進しているのかの参考にしてほしい。