欧州でも金融市場で
「早期利上げ開始」の思惑
コロナ禍からの経済回復や国際市況の急騰でインフレ懸念が強まり、ユーロ圏では量的緩和策の縮小とその後の利上げへの市場の関心が強まる。
金融市場が中央銀行の想定に先んじて利上げ開始の思惑を高める構図は、米国とも共通している。供給制約の長期化やエネルギー価格の想定外の上昇によって、インフレ率が近年になく高水準になっていることが、基本的な背景であることは言うまでもない。
市場とのコミュニケーションが一段と重要性を増す中で、欧州中央銀行(ECB)は独自の課題を抱えている。
ECBの当面の政策課題は、コロナ対策としての緊急資産買い入れ(PEPP)を、来年3月末の終了期限以降に通常の資産買い入れ(APP)にどのように引き継ぐかだ。