日本銀行米FRBの3月利上げ開始が確実視される中で、日本銀行はいつ金融正常化に向けての「出口」に向かうのかPhoto:PIXTA

70年代からのジンクス
日本の利上げはいつも最後

 米FRB(米連邦準備制度理事会)が3月に利上げを開始することが確実視され、主要国の金融政策はコロナ禍の超緩和から金融引き締めへと転換する。

 日本銀行はいつ利上げに向かうのか。

 筆者がずっと注目してきたのは日米欧の金融政策に関する「5回のジンクス」(図表1)だ。

 基本的に、米国が先頭にたって利上げを行い、日本の利上げはいつも最後で、その翌年に景気は世界同時減速に陥ることが繰り返されてきた。

 それは、1970年代に為替が変動相場制に移行し日米欧の金融市場の一体化が強まる中、日米欧の中央銀行の政策金利の連動による。

 このジンクスを考えると、日銀の利上げは1年半先になるが、当面、利上げ観測が急浮上するECB(欧州中央銀行)の動きが鍵になる。