工業地帯日本は脱炭素化では、EUとも歩調を合わせているが、それでもEUと比べるとかなり温度差がある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

対ロシア制裁は長期化
日本経済が変わる契機に

 ロシアのウクライナへの軍事侵攻で欧州の安全保障秩序や世界経済は大きく揺らいでいる。

 停戦交渉が始まったが、たとえロシアの軍事行動が一段落したとしても、米国をはじめG7諸国の経済制裁は終わらないだろう。

 欧米がロシアの銀行の一部をSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除することを決め、日本も同調することを決めた。対ロシアの制裁は長期化するとみた方がよい。

 対ロシア制裁などの影響によって日本経済を巡る環境が微妙に変わっていくと予想される。

 資源大国のロシアの力を中長期的に弱体化するのは脱炭素化やレアメタルなどの供給先の多様化などが有効だ。効率より安全保障に重きが置かれるようになり、エネルギーや貿易政策、企業経営も変化を迫られる。