ロシアへの経済制裁、マーケットに悪影響をもたらす「3つの波及経路」金融制裁の発動を受けて、ロシアの通貨や株式市場は大きく下落しているが、西側諸国も自らの制裁の影響を免れない。そう遠くない時期に、マーケットへの影響も顕在化してくるだろう(写真はイメージです) Photo:PIXTA

西側諸国の対ロ金融制裁
3つの経路で影響を考察

 ロシア軍がウクライナへの侵攻を開始してから3月2日で1週間が経過した。ロシアに対し西側諸国は、ロシアの一部の銀行を国際銀行間の送金・決済システムであるSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除し、ロシア中央銀行の金融取引を制限するといった厳しい金融制裁(対ロ金融制裁)を、短期間に決定した。これによりロシアは資金決済や資本調達が制約されることになる。

 金融制裁の発動を受けて、ロシアの通貨や株式市場は大きく下落しているが、西側諸国も自らの制裁の影響を免れない。そう遠くない時期に、マーケットへの影響も顕在化してくるだろう。

 本稿では、西側諸国による対ロ金融制裁が、マーケットにどのような影響を及ぼし得るのかを、3つの波及経路に分けて整理した上で、その対応策を考察する。