長期金利上昇「隠れ主役」は欧州?ウクライナ危機で注目高まる経常黒字の行方Photo:PIXTA

サプライズとなった3月のECB決定
インフレ抑制重視の「タカ派化」

 米FRB(連邦準備制度理事会)が24日、利上げ開始を決めたが、その決定は予想された通りだったのに対して、サプライズだったのは、その2週間前のECB(欧州中央銀行)の緩和縮小の決定だった。

 10日の理事会で、主要政策金利を据え置きとしたものの、4月以降の債券購入プログラム(量的緩和)の縮小を従来方針よりも前倒しすることを決め、早ければ7~9月中にテーパリングを完了し、利上げを開始することも可能なスケジュールになっている。

 金融市場では、ECBが対ロシア制裁に伴う景気悪化のリスクにも配慮して様子見の姿勢を取るのではとの見方が多かった。

 インフレ抑制に転換したタカ派的決定は予想外との受け止めだったが、今後は、ユーロ圏の経済やECBの政策運営が世界の長期金利を上昇させる「主役」になってくる可能性がある。