プルデンシャル生命保険が「個とチームワーク」の両輪で働きがいを高める強み高松支社でのごみ拾いの様子。社員によるボランティア活動は、仕事のモチベーションアップに繋がるという

「ここまで社員に企業理念が浸透している会社は珍しい」と言われるのが、プルデンシャル生命保険だ。社員の働き方を重視するその理念は、創業当時から変わらずに現場に根付いている。OpenWorkが実施した『社員が選ぶ「働きがいのある企業ランキング2022」』で5位となった同社の「働きやすさ」の秘密を探る。(ダイヤモンド社 ヴァーティカルメディア編集部副編集長 小尾拓也)

実力主義でも
結束力を維持できる理由

 世界最大級の金融サービス機関、プルデンシャル・ファイナンシャルの一員であるプルデンシャル生命保険。同社が「働きがいのある会社」といわれる大きな理由は、強い企業理念が根底にあるため、成果を重視した実力主義でも結束力を維持できることにある。

 同社の企業理念に示されたコアバリューは、「信頼に値すること」「顧客に焦点を合わせること」「お互いに尊敬し合うこと」「勝つこと」の4つから成る。「信頼」「尊敬」といった同僚や顧客とのコミュニケーションを実践していれば、結果はおのずとついてきて「勝つこと」に繋がる。これを全社員の行動指針として啓蒙し、社内に根付かせているのだ。

 同社は1987年にプルデンシャル・ファイナンシャルの100%子会社としてスタートした。コアバリューの導入は1992年で、創業者の坂口陽史氏が「生命保険会社はこうあるべき」という強い信念の下で推進したものだ。「今でも、皆が日常的にこれらのコアバリューを口にする。ここまで社員に企業理念が浸透している会社は珍しいと思う」と執行役員の長谷川尚子氏は語る。

 同社の「働き方」に関する数々の取り組みは、全てこのコアバリューを念頭に置いて設計されてきた。行き着いたのは、「すべてのサービスの根幹には社員の働きがいがあり、社員が働きがいを持って仕事をすれば必然的に良い仕事ができる。それが顧客の価値につながり、会社は成長し続けることができる」(長谷川氏)という考え方である。その実現のため、社員の働きがいを会社が密にサポートする組織運営を心がけているのが特徴だ。

 同社は社員の「働きがい」を高めるため、具体的にどんな組織運営や施策を行っているのか。